乳児にの栄養としてのミルクの支援に欠かせない知識  

被災されている方々に心からお見舞いを申し上げます。

特に赤ちゃんを抱えての被災はいかほどの心労を伴っていることでしょう。
それでもストレスで母乳が止まることはありません。
うちのブログの昨日の記事(リンク)にも詳細を書きました。


NHKのニュースでミルクがない母親が画面に映り、、、
ミルク会社がミルクを提供することが、
人として正しいように思った方は沢山いらっしゃることでしょう。

ミルクを有効に使うためにはミルクの安全性を確保しましょう。
まず、ミルクを安全に調乳するために
サカザキ菌(リンク)に対する対策が必要である、と
WHOやFAO(国連食糧農業機関)から、
ガイドライン(リンク)も出ています。それに従って
安全なミルクを調乳することは災害時でも変わりません。


厚労省の作成したミルク調乳のためのパンフレット
(H24/5/27追記)
→ http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/dl/070604-1a.pdf  (スマホ、パソコンのみ)

ミルクで育児しているママには、緊急にミルクが必要ですが、
80℃のお湯、清潔なほ乳瓶を用意する困難さは
想像するのにあまりあります。

粉ミルクそのものがあっても、水で調乳すれば、
赤ちゃんの健康を損なうかもしれません。
ほ乳瓶(乳首などは少ない水で清潔を保つのは大変)の
清潔も保てる設備があるかどうかが大切です。
もしほ乳瓶の消毒が不可能ならば紙コップでも授乳出来ます。
http://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/pdf/japan20110406_02.pdf
↑のPDF書類には飲ませ方の写真もあります。
(URLをコピー&ペーストしてご使用ください。PC・スマホ向け)

だから、不十分な水と、ガスや電気の供給の時には、
ミルクを提供するということは、
水やガス、電気も供給できることが条件になるのです。


災害時のミルクの支援は、
#1 ミルクは粉ミルクさえあれば大丈夫なのではなくて、
  清潔な水、容器、お湯を作る環境を必要とします

#2 不用意な届け方をするのならば
  母乳の分泌を減少させる原因になることがあります

#3 むしろストレスの少ない授乳しやすい環境を整えることが、
  緊急に求められています。

#4 母乳により母親から免疫の力をもらっていた子が
  急にミルク栄養に代えると、感染症にかかりやすくなります

#5 不要のミルクを与えたために母乳を飲む量が減ると、
  母親に乳腺炎を起こすことがあります。

日本での母親は混合栄養の人が一番多いです。
ミルクだけで育児している人は、マスコミが心配するよりは、
ずっと少ないのです。
せっかく出る母乳を、いかに飲めるようにするか、が、
乳児を持つ母親の支援として一番求められていることです。

乳業会社さんがミルクを大放出し、
ミルクが不要なお母様にまでミルクを使う機会を作るのは、
支援ではなくなってしまうと私は考えております。

また、ミルクだけで育児している母親にミルクが行き渡らない、
そういう困った事態にならないようどうか、
心してミルクの支援を行っていただければどんなに
全ての母親が心強いことでしょう。




以下、粉ミルクに関する部分の指針の中身を、テキストにして引用します。
全文は→ http://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/pdf/japan20110406_02.pdf 
  のURLをコピー&ペーストして確認してください。
  PDFには写真もあります!(下線はDr-bewithyouが個人的につけました)


<災害時の乳幼児栄養に関する指針>

4.人工栄養が必要な乳児の場合の安全な調乳法
人工栄養児にはもちろん安全な人工乳が必要です。下記のことに注意して安全な調乳を心がけましょう。
1)清潔な水と洗剤で洗った容器、できれば消毒した容器を使います。きちんと洗わず消毒液につけただけでは、かえって不潔です
2)人工乳首は洗浄がむずかしいため、十分な洗浄ができるようになるまでは、授乳には小さなコップを使うのが望ましいでしょう(★参照)。
3)調乳の際は、粉ミルクの缶に付記されている説明文を読み、粉ミルクとお湯は正確な割合で調乳します。
4)2時間以内に使用しなかった場合は廃棄します。

★コップでの授乳の方法
哺乳びんを使用するのではなく、調乳したミルクや母乳はスプーンや小さなコップで飲ませることができます。これは生後すぐの赤ちゃんでも安全に行えます。消毒ができないような状況下では、使い捨ての紙コップが便利です。
1)赤ちゃんが完全に目が覚めている状態で母親のひざに乗せ、やや縦抱きになるような姿勢をとります。
2)コップを赤ちゃんの唇にふれるようにします。コップの中のミルクが赤ちゃんの唇にふれるくらいにコップを傾けます。コップと赤ちゃんの唇の位置は、コップを下唇に軽くふれるようにし、コップの縁が上唇の外側にふれるような関係となります。
3)赤ちゃんの口の中にミルクを注ぐのではなく、コップを赤ちゃんの唇につけたまま保持し、自分自身で飲むようにします。
4)赤ちゃんは満ち足りると口を閉じ、それ以上飲もうとしなくなります。どのくらい摂取しているかは、1 回ごとにみるのではなく、24 時間以上の期間で見るようにしましょう。


参考サイト
上記 記事中のリンクが切れていましたらこちらもご参照下さい。
 H26/4/28 追記
 災害時の母と子の育児支援 
   https://sites.google.com/site/hisaihahatoko/
 JALCの母乳育児情報:災害時の母乳育児支援
   http://www.jalc-net.jp/hisai/hisai_support.html



再度書きます。ストレスで母乳が止まることはありません。
頑張って母乳を授乳しているママたちは、
ちゃんとわが子を守っているのです。



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↑GLAYのTERUちゃんのイラストです。


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about me:
香川県高松市の産科クリニックに勤務していますm(_ _)m
ハグブログに共感する思いでお産を見守る助産師さんとの出会いも
あったらステキだなあ、と思っております。

目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。
まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる
仲間を募集しています





Commented by さいたまの看護師 at 2011-03-16 01:41 x
参考になります。
Commented at 2011-03-16 08:37 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2011-03-16 08:45
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Dr-bewithyou at 2011-03-17 21:13
さいたまの看護師さま>
地震で大変な中、コメントをありがとうございます。
Commented by Dr-bewithyou at 2011-03-17 21:30
2011-03-16 08:37鍵コメさま>
>どうか全ての子にこの時代を生き抜く力を与えられますように。
力強いエールをありがとうございます。

地震発生からずっと、
「ストレスでは母乳は止まりません」と、
Twitterで書き続けていました。

見えない相手、、、しかも携帯の電池すらないかもしれない、
届いていないかもしれない相手に呟きつづけて失っていた現実感を、
おっぱいをくわえて離さなかった子の高校入学の話しに、
取り戻してもらったかんじです。

高校合格おめでとうございます。
Commented by Dr-bewithyou at 2011-03-17 21:36
2011-03-16 08:45 鍵コメさま>
JALCのHPで放射線被害についての記事がアップされました。
http://www.jalc-net.jp/
今日は更新するパワーが足りないので、
そちらをご参照くださいませ。

>『やわらかな風が吹く場所に』早く戻って欲しいです。
ヾ(*´∀`*)ノ
うちのブログのタイトルが、今、にっこり笑いました。
平和、安全な場所を表す言葉に使っていただけて光栄です。

放射能は、見えないだけにやっかいですね。
Twitterの情報は玉石混淆ですが、
速さでは、他のメディアの比ではないようです。
どうか無事に、落ち着くまでの期間を過ごせますように。
by Dr-bewithyou | 2011-03-15 20:23 | 問題発生 | Comments(6)

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