新生児の胃の容量

新生児の胃の容量_d0063558_206675.jpg


赤ちゃんの胃袋の大きさを
想像したことがあるでしょうか。

この世に生まれて、
今までは栄養は臍の緒を通じてもらっていたのが、
母乳などを飲みながら生きていくように変わります。

胃袋は使いながらどんどん成長していきますが、
最初はこの写真でお示ししている
大きいビー玉サイズの胃袋からスタートします。

胃は筋肉でできた袋なので、
ある程度の伸縮性はありますから、
少々多めに飲ませても収まりはしますが、、、
でもこんなに小さいのです。

1日目は生まれてから24時間の間。
つまり生まれた当日です。

これは、赤ちゃんが普通に飲む量を想定しての
大きさです。無理矢理飲ませても
ここまでしか拡張しない,,,と言うわけでは有りません。

参考にしたデータは
リンダ・スミスさんの
Coach's Notebook: Games and Strategies for Lactation Education
Boston, Jones and Bartlett, 2002
を参照して作成したWEB上にアップされたイラストです。

Breastfeeding center
https://www.facebook.com/thebreastfeedingcenter
アップされていました。
↑のリンクはFacebookです。
Facebookのアカウントをお持ちでない方は
見る事が出来ないかもしれません。

Brestfeeding Management for the Clinician (Marsha Walker)
の2006年版を持っているのですが、
その81pにも、これとほとんど変わらない数字が出ています。
(最新版がでているのですが,
 私がまだ購入していませんでした)

リンダ・スミスさんの情報に書かれていたのは
1日目:5-7ml
2日目:22-27ml
10日目:60-81ml
とのことです。

上の写真では参考のために、
100mlがどの位の量なのか比較のために、
計量カップに入れてみました。

普通のビー玉(ラムネに入っているあれ)も
参考のために一緒に撮影しました。



こんなに小さな胃袋だから、度々,欲しがっても仕方ない、
と思って赤ちゃんと接すると、
大変だな、と言う気持ちは少しは軽くなるでしょうか。


また、とても不思議で、とても当たり前なのですが、
初乳の出る量は,一般的には一回当たり、
この胃の容量くらいの量なのです。

一般的に作られる母乳の量と
赤ちゃんの胃袋の大きさが同じくらいなのです。
(これは、世界母乳学会の情報ですが、
 助産雑誌2013年1月号 の
 石井真美先生(香川県の小児科医で,私のお友だちです)の記事に
 表が採用されています)

母子別室ですと、次の授乳までに赤ちゃんが泣きますので、
その間を持たせるためと、脱水などを極力避けるために
お白湯や糖水、人工乳を
赤ちゃんに飲ませることを行っています。

その時に、
赤ちゃんに摂取して欲しい管理する側の希望の量が
赤ちゃんの胃袋の大きさに沿ったものかどうかも、
配慮が必要となります。

赤ちゃんが母乳を飲む能力を発揮できるように気をつけ、
母親の母乳が出るのを邪魔しないように
気をつけて行くことも大切な、
医療スタッフの目でありワザであると
言えると思います。

(一般論としては、母子同室が実行できる環境では、
間を持たせるために何かを飲ませるというケアは
多くの場合、不要になる配慮の一つでもあります。)



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about me:
平成24年4月からは、小豆島で、分娩に関わっていきます。
ハグブログに共感する思いでお産を見守る助産師さんとの出会いも
あったらステキだなあ、と思っております。

目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。
まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる
仲間を募集しています






Commented by 亜衣 at 2013-02-11 20:34 x
母乳が足りていない、ミルクを飲ませているのになぜ泣くんだ?とまわりに言われ困っているお母さんがたくさんいます。
このことを知っていたら母乳が足りていないわけではないと安心できると思います。
Commented by Dr-bewithyou at 2013-02-12 19:23
亜衣さま>
コメントをありがとうございます。

赤ちゃんは案外、色々な気持ちや思いを発信している事自体に
気づくきっかけもいるし、こんなに胃袋が小さいのだという、
科学的な事実を知っていることも、赤ちゃんとの付き合いに
役立つ情報なのでしょうね。
by Dr-bewithyou | 2013-02-03 20:41 | 赤ちゃんの能力 | Comments(2)

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