母乳育児を長く続ける混合栄養の方法 :スタッフ編 

どこの産院のスタッフも、
赤ちゃんが好きで、そのお母さんのお世話が好きなものです。

誠意も愛情もあるけれども、
母乳育児支援に関しては
様々な支援が混在しているのが現状かもしれません。

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栗林公園



様々な支援をうみだす影響を与えるもののうち大きなものは
以下の二つではないでしょうか。
◇母乳育児に関する医学的・科学的な情報をもっているかどうか
◇ミルクに関する医学的・科学的な情報を持っているかどうか


この二つの混じり具合によって支援も変わってくるようです。


どちらの情報も持っていないと、
今までの経験とスタッフ自身の信念により
以下の様な極端な視点が生まれても仕方がないのかもしれません。
ミルクは神!ミルクをあげていたら赤ちゃんは大丈夫。
母乳はよく出る一部のラッキーな人が使うもの。

ミルクは有害。完全母乳でないなら
母乳の値打ちはなくなるからとにかく母乳。

この二つの両極端な意見を読んでどのように感じたでしょうか。

もしこのどちらかに近い支援をしているならば、
ミルクと母乳との基礎的な情報を持っているのか
ここ、ハグブログの過去記事から
改めて確認してみましょう。



ミルクについての情報
◇うちのブログの災害支援の時の記事ですが
 ミルクに関する基礎的な情報や調乳方法をまとめたもの。
 http://smilehug.exblog.jp/13138913

◇ミルク(人工乳)の問題点を書いた本の解説。
 http://smilehug.exblog.jp/1294361/

◇医学的に考えると、
 どのようなときにミルクを足すかについての説明。
 http://smilehug.exblog.jp/15228267/


母乳が出る仕組みについての情報
◇母乳は飲んだ量に比例した利益を赤ちゃんに届けること。
 完全母乳でなくても母乳は赤ちゃんの健康をまもります
 http://smilehug.exblog.jp/13935105/

◇母乳が作られる仕組みから
 考えた支援方法もあるのではないでしょうか。
 http://smilehug.exblog.jp/17622136/
 言葉を減らして図を使ってみたものhttp://smilehug.exblog.jp/18580750/

◇母乳が作られる仕組みを誤解していませんか?
 http://smilehug.exblog.jp/17760398/


混合栄養で、母乳を長く出し続ける情報
◇多くのミルクを足す様に指導する保健医療スタッフが、
 ミルクを足す様に説明しても,その時、同時に
 ミルクの止め方や母乳の増やし方を説明していないのは
 とても残念なことです。
 先日書きました、母親向けの混合栄養の一つの方法の記事です。
 http://smilehug.exblog.jp/17807220/

混合栄養の適切なミルクの足し方についての論文に
私はまだ出逢った事がありません。
ミルクの量を決めるための臨床研究などはなされずに
経験的に決められていったと言う話も、
どこかの学習会でも聞いた事があります(元文献がなくてすみません)。


黄疸とか低血糖とか脱水などの様に、ミルクをお薬として使う必要が
出てくることは珍しくないです。
そういうときも、医学的に必要である事と
母乳の増やし方やミルクの止め方を合わせて説明していれば、
母乳で育児したいお母さまたちは、ミルクを減らす様に、
ご自身で工夫されることが殆どです。


医学的な補足ではなくて、産院のシステムとして
「夜はお預かりして,ミルクをあげますので、
 お母さまはゆっくりお休み下さい」というような
一見母親のために行われているように見えるミルクの足し方の多くが、
母乳を作るのに乳房の腺房細胞がどんどん変化するのを
邪魔して,母乳産生のスイッチを邪魔することがあります。

また、ほ乳瓶に慣れた赤ちゃんが、乳房から母乳を吸い取る
という本来なら生まれ持っていた能力を開花させるための
練習のチャンスを奪うこともあります。


お母さまの中にはバースプランに「混合栄養希望」と書いている
方もいらっしゃいますので、その意向に沿うことが、
お母さまの満足に繋がるとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、気をつけたいのは混合栄養と言うからには、
母乳が出ていて初めて実現できることです。


基本的な情報ですが。
混合栄養で母乳をあげ続けるのは難しいのです。
ミルクを足す時には,母乳を止めないための注意が必要になります。

産院のスタッフは産後に母親の乳房腺房細胞で
母乳産生を始めるスイッチを入れるための入院生活を設定して、
まずはお産した母親の身体を、母乳の出る身体に変化させるお手伝いを、
大切なケアとして捉える責任があるのではないでしょうか。
(決してマッサージだけでは母乳の量は増えません)

また授乳する事自体が楽しいリラックスした時間になる
ような楽な授乳のために、母親が工夫できるような、
情報を届けることも専門家として求められていると思います。
授乳が楽しければ、お母さんたちは、
赤ちゃんとの生活をストレスと感じにくいものだからです。

母乳が出るからだと、授乳を楽しめるこころとがあれば、
赤ちゃんが泣くからとすぐにミルクを与えるような
誤った情報に振り回されたために,ミルクをあげすぎて、
結果的に母乳が止まるような結末を避けることの
大きな助けになることでしょう。

産後から母乳が出る様に支援できれば、
本当にミルクの要る母親はごく僅かだということと、
ミルクは母乳の代用品ではあるけれども同等では決してないことが、
母子医療保健に関わるスタッフにもまだ今のところ、
充分に知られていないのはとても残念なことです。


混合栄養でどの位の期間、母親は母乳をあげられるか、とか
混合栄養で使う適切なミルクの量についての研究データを
私はもっていません。(お持ちの方、教えてくださいませ)

ただ次の妊娠で産科を受診して下さったお母さまたちに,
前の赤ちゃんへの栄養をお尋ねすると混合栄養の方の多くが、
2-4か月くらいでミルクだけになっていることが
珍しくありませんでした。
(数は数えたことがありません。ごめんなさい。)

たまに長く混合栄養を続けている人も見かけます。
そのような方は、案外少なめの母乳を長く飲ませるために
気をつけられている方だったりします。


よく母乳が出ていて
母乳のみでの栄養が確立できたお母さまが
ミルクを足し始めたら1-2か月で母乳を飲まなくなったと
いう話は少なくありません。


足してしまったミルクを減らすのは難しいです。

母乳を搾ることで置き換えていくこともできますが、
ミルクを足すことを指示するスタッフで、
痛みを我慢させながら搾っていて、
痛くないように母乳を適切に搾る方法をご存じない方も
まだ少なくない状況なのでしょうか。


母乳育児を希望するお母さまたちが、
少しでも長く母乳をあげ続けることを
産院や保健所のスタッフが邪魔することが減って
どこでも同じ情報での支援がなされる
世の中になるのを願っています。




こういう情報を目にする機会は
保健医療スタッフでも少ない事があります。
ご自身で説明するのが億劫だけど、
少しでも知っている人が増えて欲しい、と思う皆様、
ちょっと一手間かけて、
twitterでのRTや、Facebookでの「イイね!」「シェア」で
ジワジワと情報を広げていただけましたら幸いです(ё_ё)




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about me:
平成24年4月からは、小豆島で、分娩に関わっていきます。
ハグブログに共感する思いでお産を見守る助産師さんとの出会いも
あったらステキだなあ、と思っております。

目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。
まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる
仲間を募集しています






by Dr-bewithyou | 2013-02-15 16:09 | 応援メッセージ:支援スタッフ | Comments(0)

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