授乳中の飲酒に関する4/2の記事より詳しく細かい情報
2013年 04月 04日
記事を4月2日にアップしました。
想像以上に沢山のアクセスを頂き、
お酒はお母さんたちにとって、おやつや煙草と同様に、
興味がある分野であることがわかりました。
LactMedでは、アルコールはどのように記されているのでしょう。
(註:LactMedについては本文最後↓に解説しています)
薬と言うよりは嗜好品ですが世界に広く飲む習慣のあるお酒。
LactMedでの解説は、普通の薬より細かくなっています。
解説の内容をごく簡単に箇条書きにします。
(細々していて面倒で、申し訳ありません)
授乳中でも、
時々ワイン一杯、ビール一缶を飲むのは許容範囲と
先のブログ http://smilehug.exblog.jp/18466101/に
書きましたが、どのような根拠でそう言っているかの情報です。
アルコールはどの位母乳に行くのか?
☆血中濃度と母乳中の濃度は比例する
☆母乳中のアルコール濃度が最高になるのは摂取後60分くらい。
(20-40分というデータもある)
☆母乳中からアルコールが消えるのは血液よりも遅い。
母乳中のアルコール濃度のピークは血液よりも低い。
☆酔う時間は未産婦よりも、授乳婦では短い。
☆同じ量ならば体重の重い人の方が飲んでから短い時間で
☆母乳からアルコールが検出されなくなる。
☆食べ物と一緒に取ると血中濃度は上がりにくい
アルコールは赤ちゃんにどのように影響するのか?
◇コンピューターシミュレーションでは
250mlのワインをのんで授乳すると
新生児の血中濃度は0.0033%
生後3か月の乳児の血中濃度は0.0038%
◇きわめて多量の飲酒をする母親が授乳した赤ちゃんについて
報告された症例
・多量のワイン、シャンパン、ビール、蒸留酒を飲む母親
児は落ち着かず、あまり寝ない。けいれん発作。急激な体重増加。
→飲酒をしない乳母のもとで3日で体重はもどり眠るようになる
・母乳を増やすために週に50缶のビールを飲む
4か月の児に極度の肥満、身長の成長の停滞
禁酒で通常の成長パターンに戻る
・産後7-10日目に毎食ごとに飲酒を開始する文化圏で認められた
重症の赤ちゃんの血小板減少症
(シンガポールで5年間に23例。生後21-60日)
産後のビタミン投与Kなし、赤ちゃんに腹痛止め水薬という
5%アルコールの含まれた水薬を使う習慣あり)
・生後8日目、24時間に750mlのポートワインを母が飲酒
児はいびきを掻いて深く眠り、痛みに反応せず、
授乳出来なくなり、極度の発汗、心拍動が弱まる。
→児が未熟であることも関係している
◇母親が授乳すると(生後4-11週の14人のデータ)
児の睡眠時間は短くなり、しばしば泣く
母がアルコール摂取後3.5-24時間は児のREM睡眠が増える
◇長期的影響(飲酒の有無で)
運動機能の成長抑制があるとのデータ、ないとのデータがある
精神発達には差はない
身体の発達に影響ないと言うデータが多いが
57か月時点でより小さかったというデータもある
◇アルコールを飲んでいても母乳の利点は変わらない
言語能力↑、運動能力の発達↑、聴力障害↓
あとは、4月2日の授乳中の飲酒
の記事にも書いたものと同様の内容ですが、
プロラクチンがビールで上昇すること。
それはアルコールや炭酸水の影響ではなくて、
大麦やホップなどに含まれる多糖類の影響と考えられること。
ノンアルコールビールとプロラクチン上昇は一緒だが、
アルコール摂取後2時間では母乳の生産量は減ること。(-9.3%)
毎日10gのアルコールを摂取すると
半年後に母乳をあげている母親の数が倍になる。
、、、ということでした。
長い文章にお付き合いいただいてありがとうございます。
(*^o^*)
時々の1杯のワインや一缶のビールは許容範囲だけれども、
酔いは浅く、児の寝付きが悪くなる可能性がある、、、と
いうことです。
おっぱいライフ、、、赤ちゃんとの暮らしの中で、
お酒の影響はこのような感じです。
ちなみに、
私のお友だちは、卒乳後、
思いっきりお酒を飲めたときは幸せだったそうです。
ただし、
酔うと育児の行動に差し支えることを発見した、、、とのことでした。
LactMedとは、、、、、
このブログでも、授乳と薬剤との関係について、
時々、記事を書いています。最近のものは↓です。
http://smilehug.exblog.jp/17462797/
日本では国立成育医療研究センターの
「妊娠と薬情報センター」http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html
(スマホ・PCのみ)
に簡単に利用出来るよく使う薬に関する使えるかどうかの表や
社団法人 愛知県薬剤師会 妊婦・授乳婦医薬品適正使用推進研究班の
PDF書類(スマホ・PCのみ)
http://www.apha.jp/archives/002/ninpu/tebiki.pdfが
使いやすい情報です。
英語文献ではさらに詳しい情報があります。
その一つがTOXNETの中の
授乳中に使用する薬剤のデータベースLactMed
http://toxnet.nlm.nih.gov/cgi-bin/sis/htmlgen?LACT です。
本日の記事はLactMedでアルコールについて調べたものの
内容を和訳・意訳したものです。
詳しくは、LactMedで確認して下さい。
↑この記事がお役に立ちましたらワンクリックお願いします(*^^*)
「メディカルウーマン」に、参加しています。
記事や写真・イラストの無断転載はお断りします。
この2-3年よりも前の記事では内容がすでに古い可能性があります。
改訂などの管理が行き届いていないこともありますので
記事の公開時期にもご注意下さい。
about me:
平成24年4月からは、小豆島で、分娩に関わっていきます。
目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。
まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる
仲間を募集しています
あんなに飲み会大好きで、絶対耐えられないと思っていましたが、不思議とすんなり続いています。
解禁したらガッツリ飲もうとおもっていましたが、徐々に慣らさないとダメですね(笑)
二日酔いでお守りは大変(>_<)
コメントをありがとうございます。
親になるというのはすごいイベントなのですね。
完全に禁酒出来ている日々に拍手を送ります。
二日酔いでお守り、、、なんて、想像するだけでも大変そうです。
また、好きなだけ飲める日々が待ち遠しくもあり、
おっぱいライフが続いて欲しくもあり、、、、と、
母は頑張って育児しているのですね(*^o^*)
コメントをありがとうございます。お返事が遅くなって申し訳ありません。
お酒を飲むのにも色々な事情があることを教えて頂いて参考になりました。
それにしてもビール一杯で「その気」になるほど酔うのは
なかなか難しいかもしれませんね。
ダメだからダメ!でなくて、ご自身で考えることができるほどの
事情や理由、根拠を今後も示していきたいと思います。
ご主人さんへの鍵コメさまの思いやりの気持ちが
何かの形で伝わることを願うばかりです。
お急ぎのようなので、他のコメントよりも先にお返事させていただきます。
まず、生後6週の子が吐いている事自体に、
お子さんが嘔吐下痢症を含めなにか身体に不調がないかが
気になります。
胃腸炎ならば母乳の方が赤ちゃんの身体には安心ですし、
今もそんなに多量のアルコールが母乳に出るような、
特殊なことがあり続けるのは想像出来ませんが、
お母さまの身体に問題がないか、確認が必要だと思います。
この数日の赤ちゃんの様子なども分かりませんが
私がここでそれを確認して時間を取るよりは、
まずは小児科の医師にご相談することをお勧めします。