必要量のビタミンDを作るのに必要な日光浴

先日の
母乳育児とビタミンD
の記事にも沢山のアクセスを頂きありがとうございます。
漠然と日光浴について触れていたので、
もう少しだけ,調べてみました。



ビタミンDが問題視されてきたのは、
もちろん母乳中にビタミンDが少なめであり、
母乳をあげる母親が増えてきたと言う背景もあります。

ただ、ビタミンDのために母乳をミルクに切り替えたり、
混合栄養にすることは、つまり、
母乳の利点を手放すと言うことに繋がるわけです。

前の記事の内容を繰り返して書きますが,
混合栄養では科学的根拠をもつミルクの量の決め方や,
赤ちゃんへの影響は研究されていません。

赤ちゃんの摂取栄養を満たすためにミルクを使う必要のある
母親にとって,ミルクとの混合栄養は,赤ちゃんの体重増加という
形で現れてきますから必要性を評価することが出来ます。

また、HTLV-1(ATL)や母親が内服を必要とする疾患を持つ人で、
母乳をあげることを諦めてミルクを選択した方にとって
ミルクはとても大切な物です。

でも、母乳だけで赤ちゃんを育てている人が
容易にミルクを使うことは母乳の分泌を減らす事も有りますし、
たとえば母乳中のリゾチームなどの殺菌成分は、
ミルクと混ざると効果が低下する研究などがありますので、
ビタミンDやビタミンKは補充されても,それ以外の
マイナスポイントを考えると,決して
混合栄養がベストの選択肢とは考えにくいところです。



そこで、ビタミンDが紫外線の作用で体内で作られることを
利用して,日光浴を見直すことがすぐに出来る対策となります。

最近では皮膚へのダメージも含めて紫外線を完全な悪者として扱い、
母子手帳からも日光浴の記載が消えてきたことで、
お日さまを浴びること、子供に浴びさせることに
罪悪感を持っている人も少なくないかと思いますが、
健全な骨の成長のために日光浴が効果的ならば、
どの位の時間の日光浴が効果的なのでしょう。


国立環境研究所のHPにこのような情報がありました。
体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定 -札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-|2013年度|

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上記、記事内の表


またこのような記載もあります。
京都市内で2006年から2007年にかけての1年間に出生した新生児1120人を対象とした調査*4では、全体の22.0%にビタミンD欠乏症を示唆する頭蓋ろうが認められました。しかも発症には明らかな季節変動性が認められ、胎児の骨量が増加する妊娠後期が太陽紫外光の弱い冬季であった4~5月出生児に、特に頭蓋ろうの頻度が高いという結果が示されています。

妊娠中の日光浴は体内の赤ちゃんの骨の成長にも
影響しているということです。


母乳だけではくる病になるという短絡的な発想ではなく、
母乳育児を安全に進めるための注意点には気をつけましょう。
そのひとつとして、
どのようにビタミンDを赤ちゃんが沢山取れるかを考えた
環境の中で母乳育児をしていきましょう。
・・・という視点を持つのはいかがでしょうか?という風に、
頑張って母乳育児しているおやこが見守られる世の中に
育って行けたら素晴らしいと思います。

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目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。
まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる
仲間を募集しています






Commented by ちー at 2013-11-07 21:35 x
我が子は、記載にご指摘の5月生まれ。
しかしプレママ教室で助産師さんに言われた「お産のトラブルを減らすためにできることは、毎日30回のスクワットと1時間の散歩!」。生真面目に真冬も着込んで出歩いていましたし、私の母が「赤ちゃんだって狭いとこはイヤよ!」方針のため1ヶ月健診後からは毎日外気浴のため外へ出してたし。とくにくる病のケはなさそうな完母ちゃんです。
閉じこもるのが良くないことはわかるのに、なぜか紫外線一切シャットアウト志向に行ってる世間が不思議でなりません。程度の問題だと思うんですけどねえ。
ちなみに私は「VDは食物から摂取できないため日光を浴びて体内合成するしかない」と昔教わったのをいまも信じてたので赤ちゃんでも日光浴派だったわけですが、ミルクや母乳で摂取できたんですね。
Commented by Dr-bewithyou at 2013-11-15 16:39
ちーさま>
お返事が遅くなってごめんなさいね。

ちーさまは、お散歩で,知らず知らずのうちに日光浴を重ねながら、
妊娠・産後生活を過ごしてきていたため、
日光不足もあいまって増えてきたくる病の話しに驚いたのですね。
ちーさまには、お散歩も外出も当たり前なことだったのは、
幸いな妊娠生活だったかと思います。

「くる病」という病気は、衛生状態や栄養状態が改善されて、
珍しい病気になったはずだったのもあって、
母子手帳から「日光浴」の記載が外されたことを惜しむ小児科医などの声も
あちらこちらで耳にしています。

ミルクや母乳からもビタミンDは摂取できるのですが、ミルクなどに、
人工的に添加するときは脂溶性ビタミンは取り過ぎの注意が必要になる
ビタミンの一つでもあり、、、便利さというのは
何かを犠牲にして成り立つ!と言うことは、
赤ちゃんの栄養に対しても通じることのようです。
by Dr-bewithyou | 2013-10-20 09:43 | 問題発生 | Comments(2)

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