赤ちゃんの熱中症を防ぐために

昨日のオリーブマラソンでは後方支援の医療スタッフとして
病院で待機していました。
初めて見る、重症の熱中症患者さんの重篤さに驚いたのを機会に
少し早めですが熱中症について触れておこうと思います。



特に、赤ちゃんはご高齢の方とともに、
熱中症になるリスクが高いです。

赤ちゃんと暮らす皆さんが
何を気をつけて夏を過ごしていくと良いか
暑くなる前に確認しておきましょう。


まず、簡単にまとめておくと、
赤ちゃん自体が汗を使った体温調整がまだ未熟です。

また、
ベビーカーに乗せているときは熱せられた道路や歩道に、
近い所にいる事になるので、
ベビーカーを押している大人よりも
赤ちゃんは、暑い環境にいるため、
熱中症になりやすいワケです。


赤ちゃんが汗をかいたときは、母乳で十分ですが、
お母さんが汗を多量にかいたときは、水やお茶より、
塩分の入った経口補水液が必要です。
ない場合は、ポカリスエットやアクエリアスなども
水よりはましです。お塩を混ぜる事もできますね。

赤ちゃん向けではなくてママたち家族向けですが、
↑にはには自宅で作れる経口補水液のレシピや
そのリンク先には、医師や薬剤師による解説がついていて
便利そうです(全ての内容を確認しているわけでは
ありませんので、参考として)。

少量の汗で、市販のアイソトニック飲料を飲む習慣にすると、
塩分は少なめで糖分が多めなので、熱中症対策にならず、
肥満の原因になるかもしれません。




以下の情報に熱中症情報のリンク先を示しておきます。

◇「環境省熱中症情報
 ここでは環境省が出しているパンフレットなどがまとめられています。
が、、、リンク切れです。(H28年7月7日(木)確認)
 
 その中で、「熱中症環境保健マニュアル」は
 2014年3月に改定されています。
 http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html
 (↑コピー&ペーストを貼り付けて閲覧してください。
  パソコン・スマホのみです)

 その中でも「熱中症・予防対処法マニュアル」は、大切な事が
 ギュッと詰め込まれています。何が分かっていないか、
 何を自分は知りたいのか?を確認する入り口として利用出来ます。

 大切な事が色々書いていますが、
 そのなかで「高齢者と子供の注意事項」に、
 お母さんが我が子を守るのに大切な情報が集まっています。
 http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual/3-2.pdf
 ↑URLをコピー&ペーストしてご確認ください。
  子供の情報は37-38ページになっています。
赤ちゃんの熱中症を防ぐために_d0063558_15564580.jpg
↑マニュアルの中の図です。
元々はもっと綺麗な画像ですので、
説明共々、情報元サイトでご確認ください。

 
 『熱中症予防カード」はイベントなど、沢山の人が集まる時
 こういう物を配布して、一人一人の予防を喚起するのに便利そうです。
 
 携帯用のサイトは全年齢に対するものだけですが
 ↑でご覧になる事が出来ると思います。
 お気に入りに入れて、時々確認しておくと安心かもしれません。

「環境省熱中症予防情報サイト」(PC・スマホのみ)
 今、ここにいる場所では熱中症にどの位なりやすいのか?
 を確認するのに役立つのが以下のサイトになります。

日本気象協会のサイト(PC・スマホのみ)は
 ↑の環境省と同じ数字が示されていますが、
 気象の専門家の視点から示されているのと
 その情報からどうやって熱中症を予防するか?
 見つけるか?まで同じサイトで見つけられるので
 より利用しやすいかもしれません。


◇公益財団法人「日本体育協会」ではスポーツと熱中症との
 関係を記しています。これは、
 赤ちゃんには関係しませんが、身体を安全に動かすための
 情報ですので、スポーツが好きな方には、
 役立つ情報が載っていると思います。
 http://www.japan-sports.or.jp/tabid/523/Default.aspx

これはどの情報にも書かれていますが、
多量に発汗したときには水だけではなくて
同時に塩分補給が欠かせません。 

昨日参加した、オリーブマラソンの後方支援でも、
暑い季節のスポーツは充分な対策をした上で
楽しむものだとしみじみ思いました。


H27/7/14 追記
厚労省作成のチラシ
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/nettyuu_leaflet26.pdf




当然、涼しいお洋服も大切です。
ママが一枚しか着ていないときは赤ちゃんも、
一枚で十分な時がほとんどです。

ママは薄着なのに
赤ちゃんは肌着とおくるみで重装備して
真っ赤な顔をしているのを時々見かけます。

エアコンが効きすぎる場所もあるので、
外出の時におくるみを持っている事は必要ですが、
ママが暑いなと思ったら外してあげましょう。

また、スタイやベビー服の可愛い衿も
結構暑くなる事があるようです。
お友だちに貰った可愛いベビー服も、
合成繊維の多いものなどは、今ぐらいの、
涼しい季節に着せて楽しんでおきましょう。
 

エアコンや扇風機は、
赤ちゃんに直接風が当たらないようにきをつけて
冷やしすぎないようにしましょう。

少し早めですが、熱中症対策に役立つ情報を
ピックアップしておきました。
暑くなってしまう前にご確認しておいてくださいね。

赤ちゃんの熱中症を防ぐために_d0063558_16403474.jpg








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about me: 平成24年4月からは、小豆島の産婦人科医療に関わっていきます。

目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。 まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる 仲間を募集しています

Commented by えりこ at 2014-05-30 09:50 x
母乳育児について勉強させて頂きありがとうございます。
現在二ヶ月の子がおり完母で育てております。先生にお聞きしたいのですが、出産後母乳が出るまでに赤ちゃんには基本的には何も飲ませず母乳育児を起動に乗せるために体重の10%は生理的減少の範囲ということで様子を見ますがこの10%は根拠ある数値なのでしょうか?
というのも出産後の低血糖と発達障害の関連性があり、低血圧を防ぐことにより発達障害の発症率が下がるという情報をネットでみたのですが、本当でしょうか?
出産後母乳が出るまでの三日間赤ちゃんは余力があるからと赤ちゃんに何も飲ませないのは根拠があっての方法なのでしょうか?
出来れば血糖管理と脱水になっていないかをきちんと把握した上で母乳促進するべきだと思うのですが、どうでしょうか?
Commented by Dr-bewithyou at 2014-06-04 16:30
えりこさま>
コメントをありがとうございます。

えりこさまは、医療関係者、、、でしょうか? 勤務先での、新生児の栄養についてのとり決めが、赤ちゃんの発達障害の発症に関わるのではないか?と、ご心配なさっていると私は受け取りました。もし間違っていましたらごめんなさいね。

文部科学省の発達障害の説明にはその原因は書かれてません。http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/hattatu.htm そして、私もまた、発達障害に関して詳しく学んだ事がありませんので、発達障害と赤ちゃんの栄養の関わりに関してお答えする情報を持っておりません。

発達障害ではなく、神経学的後遺症を残しうるハイリスクな低血糖について書かれた物では以下のようなものもあります。続く
Commented by Dr-bewithyou at 2014-06-04 16:30
続き
JALCで翻訳している世界母乳学会のプロトコールです。http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/hattatu.htm

また、補足に関して、健康で満期に産まれた赤ちゃんに対しては、同様に世界母乳学会のプロトコールでJALCで翻訳したものは http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/hattatu.htm があります。ここでは7%の体重減少を認めた時点で、上手く母乳が赤ちゃんの口に移行しているかどうかを評価し始めることを求めています。

赤ちゃんの体重減少も、母親がお産の時に多めの輸液を受けた場合、赤ちゃんも浮腫んでいるために%で表すと多めの体重減少を認めることがあります。

現在、日本語の母乳で育っている子供への適切な補足に関する資料、教科書も増えてきています。そのような物も参照して、いただけましたら幸いです。

また、ご希望なさっているのとは、ズレたお返事になっていましたら申し訳ありません。
Commented by えりこ at 2014-06-04 22:23 x
ご回答ありがとうございます。
私は医療機器のメンテナンス関係の仕事をしておりました。
母乳育児に興味がわいたのは自分自身が母乳育児をしだしてからでした。いろいろ調べていくうちに新生児の低血糖の問題にいきあたりました。
私自身出産後母乳が十分出るまで子供の体調が心配でしたので母乳促進の裏で新生児の低血糖が見過ごされているのではと思い質問させていただきました。
今後も資料や本を見て勉強していきたいと思います。
第二子も考えておりますのでこのブログで学ばせて頂いたことを子供に還元していきたいと考えております。
最後に、おっぱいをあげているときほど幸せな時間はないですね(^^)vありがとうございました。
Commented by Dr-bewithyou at 2014-06-05 14:21
えりこさま>
失礼しました。
勝手にどのような方か想像して説明してしまいました。

医療現場にいるお母さまが、ご自身のお子さんが、
産後に体重が10%くらい減少したのに補足しなかったことが
赤ちゃんの将来に影響するのではないか?と
ご心配なさっていた、、、という事だったのですね。

体重減少は一つの目安となりますが、お母さんが、
我が子の状態を観察するには、
http://smilehug.exblog.jp/19897629/
で、ご紹介したようなスピードで我が子が排泄をしているかとか、
泣いたり寝たりにメリハリがあるか?等も一つの、観察の助けに
なるかもしれません。

お産前にバースプランなどで助産師さんとお話しする機会があれば、
赤ちゃんの体重減少のときにどのように対応するのか質問して、
納得しておくことも、一つの安心のための方法になるかもしれませんね。

お一人目の、おっぱいライフでの幸せさは、
母親の自己満足のものではなく、親子ともどもが享受する幸せであることが
ほとんどだと思います。この度はご質問、ありがとうございました。

by Dr-bewithyou | 2014-05-26 17:11 | 応援メッセージ:ママ達へ | Comments(5)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児支援(おっぱいライフ応援)をしている産婦人科医・IBCLC 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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