新生児の体重が増えない時のRiordanに記された評価と対応(スタッフ向け)

Breastfeeding and Human Lactation

Jones & Bartlett Pub

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Riordanは、母乳育児のための、老舗のテキストの著者名です。
時々改訂されている本の2009年版です。そのP353の
チャートを紹介します(かなりはしょってます)
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テキストではもっと詳しいのですが、
もの凄く端折っています。

また、ここに10%以上の体重減少とありますが、
数字は一つの目安で絶対的な物ではないです。

多量の輸液を母親が分娩中に受けた場合は、
赤ちゃんも全身がやや浮腫み気味ですので、
余分な水分が尿として排出されると、結構体重が減ります。
(これはジャック=ニューマン先生のFacebookでの情報です。
Facebookは過去記事を探すのが至って難しいのが欠点です)

ですから、ILCA国際ラクテーション・コンサルタント協会の
ガイドラインなどでは、7%の体重減少を認めた時点で、
飲み方(姿勢やタイミング)を含めた再評価から
はじめるような記載があります。

7%減ったから、さあ、補足!ではなくて、
体重が増え始めない事情を確認するところからスタートします。

母乳が良いと聞いているので
医療サービスとして母乳育児支援を新たに始める施設や、
母親のニーズに応えよるために母乳育児支援を始めたばかりの施設では、
それまではミルクがあるのが前提で
新生児の状態を把握していると思います。

そのようなところでは、基本になる、
飲み方(姿勢やタイミング)の部分を理解するのが難しい事も
往々にしてあります。

いきなりミルクを排除するのではなく
(母乳育児支援に慣れた施設でも1割前後の親子ではミルクを補足として
使う事が必要になる事がしばしばあります)
ここに記された数字を目安にしながら、
望ましいケアを提供するために何が必要かを確認しながら
ケアのシステムを育てていくことで、
スタッフも、ムリをして頑張りすぎずにすむかもしれません。


望ましい、新生児を迎えた際のケアはユニセフ/WHOの
「母乳育児成功のための10か条」
http://jalc-net.jp/dl/10steps_Code.pdf
に大切な事はギュッと詰め込まれています。

Riordanのテキストでは、実はこのフローチャートの先頭に、
「望ましいケア」をまず記載してあります。

望ましいケア:optimal early routines;
支援的な産前のケア、分娩の支援、
持続した早期接触(skin-to-skin)、
早期からの授乳開始、
適切な授乳姿勢と吸啜、
赤ちゃんの「飲みたい」サインに従った頻回授乳を8-12回/日 は行う

その上で3-5日後に最初のフォローを行う。
(アメリカでの分娩の退院は生後1-2日目のことが多い)

この部分が如何に実現できるかと言うところで、
母乳の出方や、赤ちゃんの飲み方が変わってくるのです。

そして、授乳法の再評価に*をつけたのの内容を
書き忘れていたので書き足します(10月30日以下の4行追記)。

授乳法の再評価:review feeding routines
適切な授乳姿勢と吸啜
赤ちゃんの飲みたいサインに応じた授乳を8-12回/日行う
母乳移行量を確認する



一律に、ン%の体重減少で、ンmlのミルクを1日ン回、、、と
決められるケアがあるわけではないのが、
慣れるまでは難しく苦手意識に感じられる部分かもしれません。

とにかく赤ちゃんが健康に生きていてなんぼです。
いきなり完全母乳をめざして赤ちゃんの体重増加不良に
糖水で対応するような極端な方法は避けた方が安心です。

その上でミルクの補足(搾母乳の補足にも置き換えられる)が、
多すぎないかを見つけていくと、
歩みはゆっくりになるかもしれませんが、
赤ちゃんだけでなくスタッフのストレスも
減らしながら変わっていく事が出来るのではないでしょうか。


「では具体的にどの位の量を補足するか?」
についての記載もありますので、
また、近いうちに(これが怪しくて申し訳ないのですが)、
それもご紹介したいと思っております。

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by Dr-bewithyou | 2014-10-29 21:52 | 問題発生 | Comments(0)

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