授乳中です。赤ちゃんの血液検査で食物アレルギーがあると言われたのだけど。。。

↓前の本
コピペしていますが、必ず、改訂がないか、
上記サイトで内容をご確認ください。
日本小児アレルギー学会は、食物アレルギーの原因食品の診断法としてIgG抗体を用いることに対して、「食物アレルギーハンドブック 2014 子どもの食に関わる方々へ」(2014年日本小児アレルギー学会発刊)において推奨しないことを注意喚起しています。米国や欧州のアレルギー学会でも食物アレルギーにおけるIgG抗体の診断的有用性を公式に否定しています。
 その理由は、食物抗原特異的IgG抗体は食物アレルギーのない健常な人にも存在する抗体であり、このIgG抗体検査結果を根拠として原因食品を診断し、陽性の場合に食物除去を指導すると、原因ではない食品まで除去となり、多品目に及ぶ場合は健康被害を招くおそれもあるからです。
 日本小児アレルギー学会は食物抗原特異的IgG抗体検査を食物アレルギーの原因食品の診断法としては推奨しないことを学会の見解として発表いたします。
参考文献:
食物アレルギーハンドブック 2014 子どもの食に関わる方々へ」(2014年日本小児アレルギー学会発刊)
Stapel SO, et al. Allergy 2008; 63: 793-796.
Bock SA, et al. J Allergy Clin Immunol 2010; 125: 1410.
平成26年11月19日   日本小児アレルギー学会  /  食物アレルギー委員会



さて、タイトルの
「赤ちゃんの血液検査で食物アレルギーがあると言われたのだけど」
についてです。

この学会の注意喚起では
血液検査だけで、アレルギーの原因を見つけたつもりになって、
身体の健康被害に至るような制限食をする事は、
推奨しない、、、というものです。

お母さん達の中でもご近所での流行りのように、
「念のため、小児科に行って
 アレルギーの原因がないか調べてもらうと良いのよ」
と薦めてしまうのが浸透している事があります。

その結果、アレルギーがなくても
陽性にでる抗体があるにも関わらずアレルギー専門の小児科医から
「赤ちゃんのためですから、
 母乳をあげたいなら制限食をするか、
 制限が苦しいならアレルギーミルクにしなさい」という
指導を受けることとなるのは、よく耳にする話です。

血液検査だけでこのような制限食の方針を決めるのは望ましくないこと、
制限食が過ぎると、母親や赤ちゃんの健康に悪影響が出ることは
心に気にかけておいた方が良さそうです。
アレルギーミルクは完璧なものではなくて、
足りないビタミンなどがあってそのために皮膚障害になる可能性もあります。


私も、以前に母乳をあげたいお母さんが、
制限食(小麦と卵だったと思うのですが)に悩んでいた
症例に出会ったことがあります。
「大豆でなくて良かったんですよ。日本では大豆の制限食は
 ほぼ不可能ですから。」
と、にっこり笑って、卵、小麦を使わないお菓子を
焼いて頑張っていましたが、あまりにもたいへんそうで、
アレルギー薬の併用や、制限食を止めるときの負荷試験も
してくれる先生に紹介したことがあります。

じゃあ、逆に
血液検査をしなくて赤ちゃんの湿疹を見ただけで
「あなたの赤ちゃんは卵アレルギーです!」と、
断言していたドクターをどう評価するか?と言えば、、、
それはそれでどうなのだろうと心配になります。。。
アレルギーの診断は、どうしても、
つい、極端に走りがち事をよく見かけます。


赤ちゃんにアレルギーを疑って血液検査をしても、
スキンケアについて全く問診も指導もない小児科の医師も
まだ、少なからずいらっしゃるのを耳にする事もあります。


ちなみに、、、
スキンケアに関するアメリカ小児科学会の推奨
→http://www.aap.org/en-us/about-the-aap/aap-press-room/pages/AAP-Recommends-Skin-Directed-Management-of-Eczema-in-Children.aspx
コピー&ペーストでURLをご利用下さい。

AAP Recommends Skin-Directed Management of Eczema in Children

11/24/2014 元記事Atopic Dermatitis: Skin-Directed Management,

ステロイドの局所での使用は安全で、皮膚のケアは効果的だ
という指摘もアメリカ小児科学会からは出されています。

適切なケアはだんだん進化して行っているように思います。
極端でなくて、効果のある治療方法もまた、
少しずつ変化しているので、痒い皮膚に悩む親子では
新しい情報には常にアンテナを張っておく事が望まれるかもしれません。



ケアに関しては、乾燥肌予防には
石けんやボディーソープを使わない「福山雅治」流の
皮膚ケアについて書いた以前の当ブログの記事もあります。
いつもの、森戸やすみ先生のブログの紹介です(^^)v


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by Dr-bewithyou | 2014-11-26 22:22 | 問題発生 | Comments(0)

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