母乳が出過ぎるとつらいことは、広く知られていないようです

母乳が出すぎてつらくてこの記事に辿り着いた方の中には
お産した施設などの母乳外来などで相談したのに、
納得出来る対応法の情報を得ることが出来ず、
ネットで検索するという方法を選ぶことになった人も
いらっしゃるかもしれません。

母乳が出ないと思う時や、
赤ちゃんに必要な量に少ない時と違って、
母乳が出すぎているときには様々な苦痛があり、
多岐にわたる原因や状況が有ります。

中には医学的なフォローが必要な事もありますので
出過ぎるときの悩みはネットではなくて、
目を合わせて相談出来る人に相談するのが基本
だと私は思っています。

そうは言っても、十分なケアが出来る施設ばかりでは
ないのが現状だったりする事はとても残念です。


慣れた施設以外で相談するのは億劫かもしれませんが、
出過ぎているときの対応を学んだ専門家として
地方によっては人数は充分ではありませんが、
IBCLC(国際認定ラクテ-ション・コンサルタント)や
ラ・レーチェ・リーグのリーダーさんなどもいます。

お近くにそのような人がいる場合は是非、相談してみて下さい。



しつこく書きますが、
母乳が出すぎるのは痛みの原因にもなりますし、
乳腺炎にもなりやすいですし、
お子さんが不機嫌になりやすかったりしますし、
極端に出過ぎれば母親の栄養障害にも繋がりかねない、
緊急対応が必要な状況のひとつなのです。

決して我が儘でも、贅沢な悩みでもありません。


そういう専門家に辿り着くまでの緊急対応として
個人個人のお母さん達で出来ることは以下の事に
なるかと思います。
このような場合は急に断乳すると痛みがひどくなることが多いので
授乳しながらどう楽になるようにしていくか、と言う風に
お考え下さい。

1)頑張っている自分と赤ちゃんとを褒めてあげましょう
2)痛みの対応をすること
3)母乳が作られる仕組みを知る事
 (知る事から、自分が楽になる方法のヒントが見つかるかもしれません)
4)赤ちゃんの飲みやすい姿勢やタイミングを見つけること
5)他の問題と同様にうちのブログならば
 LAYLAちゃんと学ぶ痛くない授乳姿勢と、
 リクライニング法などの授乳姿勢から
 少しでも楽になれる方法を自分で見つけていくこともできます



1)頑張っている自分と赤ちゃんとを褒めてあげましょう
文字通りです(*^o^*)
我が子にとって望ましい栄養だと聞いた母乳をあげるために
頑張ろうとすることは赤ちゃんを思えばこその行動です。
よく頑張っていらっしゃいます。

2)痛みの対応をすること
冷やすか暖めるかは気持ちが良い方を採用してください。
搾ると楽になりますが、余計に分泌が増えますので、
reverse pressure softening法なども併用して下さい。
葛根湯や、産院で貰った痛み止めも効果があるかもしれません。


3)母乳が作られる仕組みを知る事
母乳は一度出るようになると、出せば出すだけ作られます。
ぱんぱんにおっぱいが張って痛いとき、
しっかり搾るとしばし楽になりますが、
あとでますます作られて痛みが強くなることは珍しくないです。
授乳の後半で出る母乳は脂肪分も多く、
赤ちゃんの腹持ちもよく体重も増えます。
あっという間に射乳反射が出て赤ちゃんが、溺れそうな時は、
少し勢いが落ち着くまで休憩するとましかもしれません。

スタッフ向けで少し難しいかもしれませんが
母乳が作られる仕組みを教科書的に書いた記事もあります。

4)赤ちゃんの飲みやすい姿勢やタイミングを見つけること
赤ちゃんは授乳の時、結構頑張って工夫したり練習したりしています。
つまり落ち着いた気持ちの時がおっぱいを飲むのにふさわしいです。
ですが、お母さんの乳房が痛くてそこまで考える余裕がないかも
しれませんね。。。。
これは生む前に知っておいた方がいいことかもしれません。

5)LAYLAちゃんシリーズ
LAYLAちゃんシリーズはご自身の授乳写真を撮影して
写真どうしを比較するとより効果的です。


、、、、ということで、
様々な要素があわさって起きているのが
母乳が出すぎて困っている時の問題なのです。



では母乳育児支援の教科書ではどうかているでしょう。
「母乳分泌過多」として
p259→266まで7ページにわたって説明があります。

出過ぎてつらいという悩みは贅沢でも我が儘でもなくて
対応が必要な問題の1つだと言うことです。

そこで取り上げられている
母乳分泌過多に見られる母親と児の症状の表は
大切な事を書いているのでお借りします。

【母親の症状】
 乳房が決して楽になったと感じないとか空っぽになった感じがない。
 授乳後すぐに母乳が湧いてくる感じがする。
 授乳以外でも頻繁に射乳反射を感じている。
 衣服を濡らしてしまうほど母乳が漏れる。
 乳房が突き刺すように痛む。
 乳房が硬くしこったり、敏感な部位がある。
 軟性的に乳管閉塞や乳腺炎が起こる。
【児の症状】
 授乳中に咳き込んだりむせたりする。
 口から母乳が溢れる。
 乳房から身体を反らせたりして、授乳を続けるのが難しい。
 頻繁に吐く、一度にたくさん吐く。
 極端におならが多い。
 便が頻繁に出たり、緑色の便が出る。
 飲み終わってすぐでも落ち着かない、すぐに空腹のサインを出す。
Smillie CM et al(2005) Hyperlactation-How left-braind'rules' for breastfeeding wreak havoc with a natural process.
Woorlidge MW et al.(1982) Individual patterns of milk intake during breast-feeding .Early Human Development.7(3):265-272
Woorlidge MW et al(1988) Colic "Overfeeding" and symptoms of lactose malabsorption in the breast-fed baby: a possible artifact of feed management? The Lancet.2(8607):382-384 を元に作成





参考までに。。。

ここ以下は、今の痛みや辛さを変えるわけではないので、
お母さまたちは、いずれ落ち着いてから読んでいただいたので
大丈夫な文章です。

出過ぎるのには、体質も関わるのですが、
対応出来そうな母乳分泌過多につながるような条件もあります。

医学的な必要を理由としない母子別室と補足とか、
別室の間に赤ちゃんにほ乳瓶に慣れさせてしまうこととか、
拙い搾乳で搾乳後に却って乳房緊満を来してしまうとか、
「しっかり搾乳して」というような誤った指示を受けるとか、
ラッチオンに問題があるのに授乳姿勢を工夫せずに
ひたすら頻回授乳するとかが、
過多分泌の引き金を引いてしまうこともあります。

個人差があるので、決して絶対的な条件ではないにせよ
産後の過ごし方で改善出来ることが原因で
母乳が出すぎるとか、出にくいとかのような事が少なくて
どの施設でも適切なケアが受けられるというのが、
WHOの10か条の目指すところだと思いますが、
そこまで辿り着くのにはまだまだ時間と努力が必要そうです。

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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務 (外来のみ、H27年5月より)

四国でIBCLCに認定されるための継続教育単位の出る学習会をついに実現できます。
第1回学習会はお陰様で満席です。当日受付はありません。
興味のある方で参加出来なかった皆さまのために、2回目も設定できるよう準備していきたいと思います。

Commented at 2015-08-04 21:48 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by Dr-bewithyou | 2015-08-04 21:19 | 問題発生 | Comments(1)

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