授乳中の乳腺炎を食事でコントロールできると思う人はまだ多いようです

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これはtwitterのアンケート機能を使って一昨日から48時間
答えてもらった結果です。
食事と乳腺炎の関係については触れられておらず
乳腺炎の原因は作られた乳汁が排出されないことが
主な原因と考えられています。


このアンケートを発表原稿風に言うと、母集団は不明です。
このtweetを見た人は3500名ほど。総投票数は259票。
現在授乳中の人も、かつて授乳したことがある人も混じっています。
初産の人か,経産婦さんかも不明ですし、
搾乳している人か直接授乳の人かも不明です。
対象の専門家も助産師か、医師か,看護師か、それ以外の職種かも不明です。
なので分かるのは実態と言うよりは傾向です。


皆さんはこの数字を見て,どう思ったでしょうか。

「当たり前じゃん」
「うーーん。まだこんなに高脂肪食を乳腺炎の原因と思っているのか」
「体調不調を確認するのに食欲は尋ねないでいいのかしら」
「健康の確認としての食事の様子は訊かないのかな」

など色々あることでしょう。

一連の乳腺炎のtweetをまとめのTOGETTERの方でも
まとめているのですがこちらにもいくつかピックアップします。



授乳中の母親に、ケーキや肉を食べると、あたかも罰が当たって乳腺炎になるかのように怯えさせる指導が消滅しますように。

n=454で半分の母親は授乳中の食事で脂肪の制限を指導されたのだとか。母親からも指導する人に「その根拠を教えてくださいますか?」と尋ねるのもありかもしれないけど、それはハードルが高そう。
戸田 千さんが追加
結果出ました!52%の人が根拠のある指導を受けていません。これが0%になるように情報を発信していきたいです!




[母乳が作られる仕組みから見た乳腺炎] 「母乳育児支援講座」によると食べた脂肪酸が母乳中に移行するまでの時間は7-15時間かかります。

[乳腺炎にかかった乳房で起きている様々な炎症反応] 牛での実験なので、必ずしも人間には当てはまりませんが乳管の閉塞、細菌の影響、白血球の反応など乳腺炎で何が起きているかを知ることができます。


でも ある食べ物を食べるとよく出る気がするの ↑のブログには食べ物の持ちうる母乳を増やす可能性、乳腺炎の原因となり得る可能性の解説が取り上げられています。

授乳中の乳腺炎は作る量と、出る量(赤ちゃんが飲む量または、搾る量)とのアンバランスが痛みやしこり、発熱の原因となります。

そして、母乳中の固形分は脂肪だけではありません。母乳100gには水分が87.6g 残りが固形分12.4gです(母乳育児支援スタンダード107ページより)そのうち脂肪は3.4gです。母乳中の脂肪分は、食べたものに含まれる脂肪と、妊娠中に蓄えた脂肪から組成されています。



授乳時の推奨摂取カロリーは+350Cal。根菜類中心の和食が母乳を増やし乳腺炎を防ぐと誤った指導もまだ多いです。高脂質食品を食べて乳腺炎になったと言われた恐怖感から、予防効果がないと頭で理解しても食べたい肉料理に怯える人もいます。


メモ350カロリー分の

大根→約二本

人参→約六本

ジャガイモ→約三個

牛蒡→三本弱        カロリーslim利用:



授乳中の人が乳腺炎になることを怯えて動物性蛋白や脂肪を控えるのを止められないことがあります。実際には適切な授乳方法やタイミングで、乳汁が乳房から排出されるのが効果的な予防策になります。



4月1日

「ケーキは来客があったりおでかけしているときに食べるので、よく考えたら授乳のやり方がいつもと違っていた」というお母さんにあった経験があります。



乳腺炎で母乳外来に来院した方の数を数えたら、適切な授乳間隔の情報提供や実際の授乳姿勢の確認だけでマッサージなしで、1回の発症での平均の通院回数は1.5回でした。(n=200)



[では、授乳中に乳管から出てくる栓みたいなものは何?]

乳汁が流れる授乳方法が見つけられたら、赤ちゃんが飲みとってくれます。

アンケート、ご協力ありがとうございます。授乳中の乳腺炎では、専門家も「まだ」ケーキや肉の情報を重視していると言う結果となりました。




このブログには↓
↑のように授乳中の乳腺炎に関する記事が少なくありません。

こう書いている私も実は昔は、乳腺炎というと、
ケーキか焼き肉かを食べていないか確認して、
マッサージを助産師さんにしてもらうようなケア・診察をしていました。

↑という記事に書いたように、少しずつ学び、観察しているうちに
今の食事にうるさくない支援に変わってきました。
もちろん極端にケーキバイキングでケーキ10個食べるとか、
ステーキ500gとかという極端なケースは考えていません。


それより、この一連のtweetは、
あれが食べたい,でも赤ちゃんのために頑張る!と
フラフラになりながら食事制限を守るお母さんが痛々しくて
投稿しました。

鶏唐揚げが食べたいと言いつつ,食事のおかずは根菜類とお魚だけ。
お肉は焼いてから茹でて脂を落とし他ものをたまに食べるだけ。

こんなに気をつけても,乳腺炎が治っていないのに
食事で乳腺炎になっていると信じる気持ちから抜け出せないのです。
食事を自由にしても良いですよ、という提案に怯えるのです。
気をつけても治らないのに、気をつけなくなったらもっと
酷い事になるかもしれない。。。
と恐怖を感じるような関わりに対する疑問がわきます。

適切な情報から母親が選択するのではなくて、
唯一無二の正しいと言われた情報に祈りのように真摯に
自分を捧げるような、そういう情報提供をしないように
気をつけたいと、私もまた自分の胸に手を置いて思いました。

今の時点で最新の「妥当だと思われる方法」もまた、
5年10年経つと古い、怪しい情報に変わっていくかもしれません。
一つ一つのデータの正しさを確認しながら情報を集められるよう
気をつけて行きたいものです。


アンケートにご協力下さった皆さま
ありがとうございます。


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いつもの 三匹の子ぶた のパフェ。







Commented by ままり。 at 2016-07-01 17:14 x
外食やスイーツでなど高脂肪なものを食べる機会と分泌機会の不足は交絡してるかも。直接つまる原因ではないかも。それは認めるけれど、高カロリーなものを食べると分泌量が増える実感があります。だとしたら、授乳搾乳の機会が普段と同じなら、高カロリーな食べ物はリスクだと思います。ゼロかイチかという患者指導がおかしいんだよねー。
by Dr-bewithyou | 2016-04-05 23:08 | 問題発生 | Comments(1)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児(おっぱいライフ)の応援をしている産科医 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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