外出時の授乳について

この記事の最後に関連する記事のメモをまとめています。


赤ちゃんは大人と異なるからだやこころをもった生き物です。
昔は「5歳(7歳という説も)までは神のうち」と言っていたそうです。

私はそれを5歳くらいまでは神さまなのだから、
泣いても、気まぐれでも敬って育てましょう
と言う風に解釈していたのですが、
あるときお産関係の本だったと思いますが
「子どもは5歳になるまではいつ
 神の世界に戻ってもおかしくない存在だから」
と言うようなことを書いていて、ハッとしたものです。

神の世界に戻らないように、心して育てないといけない人。
その人との暮らしはさまざまなものに制限があることも
想像に難くないかと思います。中でも外出時の授乳は
本当に悩ましい問題が増えた時代となってきました。


1月にtwitterでの出来事です。新聞の新聞の声欄に
ファミレスで授乳する母親に対する不満を書いた投稿があり
それに対して授乳中の母親が戸惑ったり
そりゃそうだという意見があったりという出来事がありました。

外出をせずに暮らすのは不可能です。
赤ちゃんの兄弟がいれば子どもの用事も増えます。
赤ちゃんがおっぱいタイムを要求するのは突然です。
お腹が空いているときだけでなくて、
疲れたり、不安だったりしても現れます。

昔、私が子どもの頃、
うちには内湯はなくて銭湯がお風呂でした。
お風呂には赤ちゃん連れの人が沢山いて
おしめを替えるとか、授乳するとかの
親子がいるのは当たり前な景色のひとつでした。


米国では、公園で授乳したら公然わいせつ物陳列罪で
逮捕される州もあるんだって。
えぇえ、、クレージーね。
と言う会話があったのが20年位前でしょうか。

今では公共の場での授乳を見ることに対して
嫌悪を感じる人が日本にも出現していることを
実感する事件でした。
(出現したのではなくて、以前からいてもそういう
声をあげることをためらっていたかもしれません)


授乳は赤ちゃんのお食事です。
生きるために必要不可欠な行動なのです。

だってミルクがあるじゃん?ということを言っていいのは
赤ちゃんを育てているその人だけです。

なぜならば、例えば、、、
ミルクと混ぜると母乳中のリゾチーム(殺菌物質)などは
効果が落ちることが分かっています。
ミルクを飲むと赤ちゃんの胃のpHも変わります。
腸内細菌叢にも影響します。

また、母乳にミルクを足す事で
エネルギーやタンパク質などを不足がないようにして
赤ちゃんに与えているお母さんにとっても同様に
ミルクをあげるか母乳をあげるかは母親が決める事です。
母乳をあげる回数を減らすことは出る母乳の量を
減らす影響が出る可能性もあるからです。
育児にミルクが必要な人での授乳回数の減少の影響は
より母乳減少に繋がりやすい印象です。
安易に「ミルクをあげたら?」ということを他人が
指示するような内容ではないというわけです。

これらと問題は少し異なりますが、
ミルクだけで育てているお母さんにしても
適切に調乳できる80℃以上のお湯がある清潔な場所を
容易に見つけられるわけでもないのです。


授乳する姿を見たくない!と言う人が声を大きくするならば、
この先は、赤ちゃんが母乳を飲む権利、生きる権利を
法律で守らないといけなくなるかもしれません。
(国連の子どもの権利条約では、赤ちゃんへ母乳をあげる
事の大切さを親などに教育することの項目があります)


乳房はセクシャルなものでしょうか?
と言うか、単にセクシャルな使い方だけの為にあるのでしょうか?
赤ちゃんが母乳を飲むと言うことは「命」に繋がることの
重要さを、社会としてどうとらえていったら良いのでしょうか?

多くの人が考える事で世の中が、良い方に成長していく
のだろうと思います。
多方面からの意見が発信されたこの機会も
世の中を育てるひとつのきっかけとなって欲しいです。



以下は、外出先での授乳についての記事のメモφ(.. )です。

◇育児現役中の内科の先生がtwitterを使って
公共の場での授乳についてどう思うか調べたものです。
科学論文的な記載で分かりやすいです。


◇上記の記事は毎日新聞でも取り上げられています。
記事内容は↑のサイトで検索して下さい。> 発信箱「授乳」論争=小国綾子
http://mainichi.jp/articles/20170131/ddm/005/070/029000c
↑ここではこのURLだとリンクできないようです。



◇NHK公共の場での授乳についての投稿が
 1月24日に投稿していましたが、既に閲覧できませんでした。
 「目のやり場に困る」とまず書いてある記事で
 赤ちゃんの生きる権利としての授乳行為
 という捉え方では全くなくて驚きました。



◇朝日新聞での記事↓



◇うちのブログでの海外での「授乳権」の記事(少し古いです)↓

授乳する権利 (カナダの例)




◇フランシスコ・ローマ法王(教皇)は泣く赤ちゃんにたいして
どうぞ、遠慮なく授乳なさって下さい。とおっしゃっています。


◇台湾では外出先での授乳が問題ないと広報しています。


◇隠れて(隠されて)授乳する親子と伸び伸び授乳の親子を
Let it goの替え歌に忍ばせたYouTube映像も紹介したことがあります。
うちのブログで。


◇米国の大手下着メーカーのモデルは、
仕事でトップレスで写真に写るのは恥ずかしくないけど、
公共の場での授乳には恥ずかしさを感じる。
(英語、勘違いしていたら教えてください)と乳房に対する世間の
ダブルスタンダードを示していました。
セクシャルなおっぱい、ナチュラルなおっぱいという2種類だと。


◇気付かれないうちに授乳出来そうなデザインの
授乳服を販売しているのがモーハウスというショップです。


授乳を目の当たりにすることが減ったこと。
胸の大きさは面白可笑しく女性の値打ちのひとつとして
話題になりやすいこと(セクハラとも言えますが)も
原因のひとつとなって、授乳する親子を見たときに
「見てはいけないものを見てしまった」
という禁忌に触れる感じを持つようになったかもしれません。
繊細な人では、禁忌なものを無理矢理見せられたと
感じて居心地の悪さを感じるかもしれません。

でも、赤ちゃんは大切にされないならば
生存の継続すら危うい生き物なのです。
授乳は赤ちゃんを「生き続けさせる」行動なのです。
赤ちゃんがどう安全に生きていくか、どう安心させられるか?
は未来に関わる大きな社会の責任ではないでしょうか?
そして、そのために、赤ちゃんと暮らす人のストレスを
減らす事もまた、社会の責任ではないかと、
私は感じている人間なのです。

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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務 (外来のみ、H27年5月より)
      母乳外来しています。

2015年、四国でIBCLCに認定されるための継続教育単位の出る学習会の第1回目は宇多津で無事に終了しました。
興味のある方で参加出来なかった皆さまのために、2回目も設定できるよう準備していきたいと思います。


by Dr-bewithyou | 2017-02-04 10:45 | 問題発生 | Comments(0)

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