A LIFE 〜愛しき人〜 お気に入りだったあれこれ

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アライフ、終わってしまいました。第十話は視聴率16.0%だったそうです。
前の感想は、何かを言いたかったけど、ありがとう以外は自分の感想が言葉に届きませんでした。

おっぱいライフ支援のブログの投稿が滞ってますがこの記事もオマケ記事として、お暇な方はお付き合いください。
アライフTweetに埋もれつつ、多くのアクセスを稼いだおっぱいライフ応援記事は過多分泌の記事で
↑これは私のtweetでは木村拓哉くんよりアクセスを稼いだ凄いTweetとなりました。
アライフファンのみなさま、ここは母乳育児支援のブログですのでオマケと言う言葉で失礼します。


沖田先生の手術中のきれいにに動く手は、すでにご存じと思いますが、プロの医師の手の吹き替えではありませんでした。また八話の顕微鏡での糸結び練習シーンの顕微鏡画面で糸をピンセットで結んでいたのも彼の手だそうです。私もほとんど使った事のない10-0という細い糸を使っていましたが、顕微鏡の視野には手さえ映らないのに木村くんは撮影スタジオまでその糸結びシーンのためだけにオフの日に出向いています。誰でも出来ることも、沖田先生にしか出来ないことも、沖田先生に関わることは全部自分で演じたことで生まれたリアリティと私たち医業に就く者への共感がありました。(10-0糸をググりましたら、直径0.029mm弱、毛髪が0.05-0.1mmです)
そこまで、大切に演じてくれた木村くんに心から感謝しています。

沖田先生の手術中の滑らかにうごく手と冷静な指示出しの声、手洗い後のピンと張り詰めた背中が好きでした。研修医の時から何人かの手術の名手の先生とご一緒してきました。沖田先生の向こうにはその先生たちの素晴らしい仕事が見え隠れしていました。器械出しのナースも頑張って予習してくる新人から、私の手術技術が急に上手くなったように感じる達人までたくさんご一緒しましたが、柴田さんにはその人たちの目や耳を感じました。一人の術者の前にはたくさんの先輩や後輩、同僚がいて手術が成立することを丁寧に描いたドラマでもありました。医療は魔法ではないので完璧ではないです。想定外のことも起きます。様々な制限が生まれても対応していく人の技を丁寧に描いてくれた画期的なドラマでもあったと言えます。

井川先生という研修医上がりの中堅前の医師が育っていくのは、重いテーマの多いドラマの中でも息抜きになっていました。ハーロックと台羽正みたいな越えられない先輩と、あがく後輩に見える事もあれば、苦労知らずだけどするべき事は苦手に思わずやってきたから苦も無く論文も書いて読むところで、沖田先生に「ちゃんと論文も書きましょうよ」と同僚としての言葉もかけるところもあるのは,ありがたい仲間でもありました。

劇中にはなんちゃってPubMedも登場です。
私達が疑問に思った医学情報を検索するサイトです。よく作ったものだと感心しました。10代女性の乳がんについての情報検索のシーンで出ていました。

おぉ、ドラマでもちゃんとエビデンスベーストな診療を目指しているじゃないの💕。。。そんなところまで病院の生活を見てくれて、ありがとウございます、と思ったシーンのひとつでした。

このドラマにはお父さんは色々いたのだけど,お母さんとしては主要登場人物では深冬先生だけが存在していました。医者の世界は父権社会を引きずっていますが、深冬先生のように、家事や育児、介護で定刻に上がって「自分は0.5人分、、、」と引け目を感じている医師も今では沢山いますから、ドラマのストーリーを分かりやすくするためにお父さんばかりではありましたが、この辺りでも描けることは残っている印象が残りました。深冬先生はリアリティ追求のドラマの中で,一人、天使とか天女とかと表現した方が良い輪郭のぼんやりした存在でした。一人くらい天女がいるのは全然OKだったけど、強い頭痛が出た時点で受診したばかりの脳ドックのMRIを見てみなかったのはストーリー展開上必要だったにしても、あれだけは数少ない「ん、、、」だったと今になって言っておきましょう(๑ˇεˇ๑)•*¨*•.¸¸♪


沖田先生が実家に帰って口答えしながら,父ちゃんの作ったご飯を食べている姿とか、沖田先生、井川先生と柴田さんとで焼き肉をつついている姿、深冬先生の手料理など、食事シーンも和みました。壮大先生のチョコレートやけ食いとかも、悪人になりきれない切なさなんかもあって食事シーンとは言わないけど、身につまされつつ,嫌いじゃなかったです。

私が木村くんのファンではないのもあるのか最初の頃は、かなり色々残念な壮大先生に肩入れして見てしまっていました。最終回の「散々かき回して」という少々身勝手な台詞も、最初の頃の私にはチラリチラリと見え隠れしていました。沖田先生のまっすぐな患者さんへ向かう気持ちも分かったし、必死に経営して病院を守ろうとする視点を失わないようにする壮大先生の苦労も分かったし、そこは本当によく描いてくれたと,制作スタッフにひたすら感謝です。医者の野郎が!と、何かと引き落とそうとするメディアの動きの中で、このようにまっすぐに頑張っている病院にエールを送ってくれた感謝は先の記事で書いたとおりでもあります。↓

友達とか同級生とか、社会人で同業だと助け合うのも当たり前だけど、ついワガママも出てしまうのですよね。厳しいところを生き抜いているときには、それだけに同級生や友達というのはかけがえのない同士でもあります。

そして、沖田先生は片付けられないとか、人の表情を医師として患者さんを見るときには職業柄出来ることが、実際の人間関係は苦手だとか、人には簡単に出来ることに困っているところもあるのだけど、自分を貫く姿がその不器用さを補う人間関係を生み出していくことにも救いを感じました。それは理想だけど、不可能ではないことだな、、、と。


病院で勤める人間にも衣食住があり喜怒哀楽があって、理想や信念も上手く表現出来たり、出来なかったりもする。本当に普通の人間の営みが病院という組織を作っています。出来ない事を責めるバングもではなくて、出来ていることにスポットを当ててくれたことに,心から感謝です。

忙しくて見直すひまがなかったのは少し残念でした。
また、この愛しき人たちに会えると良いな、と思っております。


そして、高校生、医学生、研修医、看護学生の皆さま。是非、外科系に進んできてくださいませ。

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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務
      (産婦人科医・外来のみ、H27年5月より)
      母乳外来も予約制で行っています。

2017年5月28日(日)に高松社会福祉総合センターで第二回目の四国母乳育児を学ぶ会を実施します。詳しくは↓




by Dr-bewithyou | 2017-03-21 23:30 | おまけ | Comments(0)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児支援(おっぱいライフ応援)をしている産婦人科医・IBCLC 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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