お陰様で四国の学習会第二回も無事終了です
2017年 05月 29日
熱い心と冷静に参考文献を吟味するクールな頭を持った二人の講師による学習会でした。無事に盛況に終了しました。
繰り返しエモーショナルサポートの説明がありました。よく耳にするエモーショナルサポートとはどういう物で、どういう風におこなうのか?を人を自分の思い通りに動かすための枝葉のワザではなくて、お母さんの悩みを軽くするために人としてそれぞれがもつ思いやりの心を表現するためのコツと私には伝わりました。プログラムのプチレポートです。プログラムは文末にあります。
①は、何故母乳をあげたい母親の想いを尊重するのか?を、眠たくなり兼ねない法律や政策から見つめ、夫や両親の母乳育児支援に対する研究データや啓蒙のパンフレット(日本にはまだないので英語文献)の紹介がありました。
②は、ポジショニングとラッチオンともいう授乳姿勢と吸着・吸啜を、赤ちゃんの能力や授乳の仕組みについての面から赤ちゃん人形代わりのダッフィーを使って全身を使っての講義でした。私が母乳外来で困っていた問題の解決のアイデアを、改めていただきました。知識としては知っているけど、現場とつなげられていなかったことを整理するきっかけになりました。
③は、補足の問題です。母乳外来の中にはおっぱいとお母さんのつらさに焦点をあてて、赤ちゃんの体重を測らないとか測っても伸びが悪いときの対応をミルク補足を、と漠然と知らせるに留め、授乳時の観察やアセスメントのない施設が少なくありません。何のための母乳かというと、赤ちゃんを健康に育てるための栄養の側面への情報満載でした。母乳外来では是非、赤ちゃんの健康にも留意しましょう。お母さんは、赤ちゃんの健康に必要な情報を知るだけでも、痛みが楽になることは度々なのです。
④は、陥没乳頭です。乳首から赤ちゃんが飲むのではなく、乳輪、乳房から飲むことを理解すると支援の時のバリエーションも増えてくると言うお話しでした。搾乳しながら乳首の成長を待つと、乳汁が出てさえいれば直接飲めるようになる子は多いです。乳頭帽は、乳汁が減ったり飲み方としてはほ乳瓶と変わらないので直接授乳に移行し難いことも多かったりもするので、かなり細かい観察と評価とその時に出来る直接授乳の工夫を刻々としていく必要があります。お母さんだけで退院後にやっていくのは大変そうだと受講したかたに届いてくれたのではないでしょうか。搾乳をして乳汁分泌を増やすと赤ちゃんのやる気も変わってくることはよくあることなのです。
講師お二人も、準備した鈴木佳奈子さんや、お手伝いしてくれた香川県助産師会のみなさま、香川県立中央病院、高松日赤、香川大学をはじめ、地域の助産師さんたち、そして、何よりも参加してくださった参加者の皆様に心からの拍手を送ります。たくさんの元気と気づきを、ありがとうございます。
プログラム:
①みんなの母乳育児<家族/地域/社会における母乳育児>
山口直人(IBCLC・小児科医)(初講演)
②「ほら!おっぱい飲めるでしょ!」~母乳育児の基本を赤ちゃんの視点で見てみよう!
菅原光子(IBCLC・助産師)(再講演)
③母乳だけで体重が増えない赤ちゃんへの援助
山口直人(IBCLC・小児科医)(再講演)
④陥没乳頭の支援
菅原光子(IBCLC・助産師)(再講演)