遅くなりましたが、世界母乳育児週間のこと。

世界母乳育児週間
と言う言葉を聞いた事があるでしょうか。
WHO/UNICEFも関わった母乳育児について
知識や理解を深めることを目指した一週間です。
毎年8月の第一週が当てられています。
今年の母乳育児週間はすんでしまってからの記事の投稿となりました。

今年のWHO/UNICEFのテーマは
2017年の世界母乳週間のテーマは、
母乳育児をともに支える(Sustaining Breastfeeding Together』。
でした。

世界母乳生育児週間とは昨年のものですが日本UNICEFの↓の説明が分かりやすいと思います。
リンクが切れていた場合のURLは以下です。
http://www.unicef.or.jp/news/2017/0160.html
http://www.unicef.or.jp/news/2017/0162.html



母乳でもミルクでも子どもは育つのに、
母乳、母乳というのをきくと悲しくなるという方達が
いらっしゃる事も知っています。


この活動は母乳をあげることを強制するものではないのです。
また、母乳が不足していたり,
母乳のない環境で育ったりする環境で育つ
お子さんに対するミルクを否定するものでもありません。

赤ちゃんに母乳をあげることを多方面から
邪魔するものをいかに減らすか?と言う話しのひとつです。
また子どもの健康への医学的な情報提供でもあります。



今年のWHOの世界母乳育児週間のtweetは以下でした。
http://who.int/mediacentre/news/releases/2017/lack-investment-breastfeeding/en/
のサイトの内容のtweetです。(URLはコピペしてご利用下さい)
(英語は意訳。間違っていたら教えてください)

↑:赤ちゃんと母親に対する世界的な投資不足により母乳育児は上手く行っていない。どの国も推奨される標準的な支援は満たされていない。
(Babies & mothers worldwide failed by lack of investment in breastfeeding.no country fully meets recommended standards.)


↑:194カ国の月齢6か月以下の子どものうち4割だけが、母乳だけで育っている。
(Out of 194 countries, only 40% of children younger than 6 months are breastfed exclusively (given nothing but breastmilk) .
(註:194カ国は国連加盟国の数と思われます。2016年での加盟国は193国でした。)


↑母乳育児は親子双方にとって認知能力及び健康に対する利点を持っている。
(Breastfeeding has cognitive and health benefits for both infants and their mothers. )


↑母乳育児は生まれてから最初の6か月は特に重要である。乳児の二大死亡原因である下痢、肺炎を防ぐことを助ける。
(Breastfeeding is critical during the first 6 months of life, helping prevent diarrhoea & pneumonia, two major causes of death in infants. )


↑授乳をしている母親の卵巣がんと乳がんのリスクが下がる。この2つは女性の死因の多くを占めている。
(Mothers who breastfeed have a reduced risk of ovarian & breast cancer, two leading causes of death among women.
Support breastfeeding!)


↑母乳は赤ちゃんにとっての最初のワクチンの働きをして、死に至る病気を防ぐ。
(Breastmilk works like a baby’s first vaccine, protecting infants from potentially deadly diseases. ) 



↑新生児1人当たりわずか年間4.7USD($)の投資が、母乳だけで育つ子どもを2025年までに世界全体の乳児の5割まで増やすのに必要です。
(An annual investment of USD4.70 per newborn is required to increase the global rate of exclusive breastfeeding to 50% by 2025. )


以上の日本語での解説は↑にも書いていますが
http://www.unicef.or.jp/news/2017/0160.html
http://www.unicef.or.jp/news/2017/0162.html

英語での解説は
http://who.int/mediacentre/news/releases/2017/lack-investment-breastfeeding/en/
のサイトに書かれています。

母子保健医療に関わる方達に知っておいて欲しい
医療経済と予防医学の話しです。
保健医療従事者が十分な知識を持たないことからおきる
不要な人工乳の指示を出すことは今も少なくありません。
不要な人工乳の開始は出ていたはずの母乳を減らしたり
母乳を止めたりする事に繋がる事は分かっています。

もちろん、必要な補足の指示は必要です。
赤ちゃんの摂取栄養が少なくならない適切な補足のために、
赤ちゃんの健康状態や乳房・乳汁分泌の状態の
アセスメントが出来ることは大いに役に立つことでしょう。



赤ちゃんに母乳をあげているお母さん達は、
母乳育児に対して、困っていることは
是非,母子保健医療の現場のスタッフにお尋ねください。
現状では我慢しなさいとか、やる気の問題にするような
スタッフの指示が多いことは存じております。
そのようなスタッフと時間を重ねる事は辛いですよね。
頑張る意欲を失わせたり、悲しい思いをしたりするのは、
減らす事の出来るものだからです。

でも「困っていること」を伝え続ける事は大切です。
心あるスタッフに尋ねれば
「なぜそのような悩みがあるの?」と
疑問を持ってもらうところから、学ぶきっかけが
生まれることはよくある事だからです。
私達がより問題解決を容易にするために学ぶのには
お母さん達の生の声は欠かせないからです。

実際に、尋ねることで解決する事は多いです。
でも,残念なことに、、、
気合いとかやる気や根性や愛情の話しばかりを聞くとか、
高いお茶やサプリメントの販売を押しつけられるとかで、
具体的な対策が分からないような時には
私達IBCLCやラ・レーチェ・リーグのリーダーさん
などWHO/UNICEFの支援の目的や手段を学び続けている支援者を
探していただく事で、お力になれる事も有るかと思います。
(お産前から,そのような支援者と出会えていると、
困った時に途方にくれることが減るかもしれません)


世界母乳育児週間に間に合わなくて失礼しました。
長文をここまで読んでくださって,ありがとうございます。


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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務
      (産婦人科医・外来のみ、H27年5月より)
      母乳外来も予約制で行っています。

2017年5月28日(日)に高松社会福祉総合センターで第二回目の四国母乳育児を学ぶ会は盛況に終わりました。みなさまのご協力に感謝します。




by Dr-bewithyou | 2017-08-18 11:02 | 応援メッセージ:支援スタッフ | Comments(0)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児支援(おっぱいライフ応援)をしている産婦人科医・IBCLC 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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