「この世界の片隅に」がアメリカでも上映されているそうです



日本でロングランを続けている映画「この世界の片隅に」がアメリカでも上映されているそうです。アメリカで映画を見た人たちの反応をラジオで町山智浩さんという語った言葉の書き起こしをお友だちに教えてもらいました。

私が映画を見たときの感想は
に書いてきています。

映画は、町が失った時間を埋めはしなかったけれども繋いでくれたことへ納得して感謝した事ばかりを綴っていました。自分だけに向けた内容だと感じてあまり人に紹介するのも、失礼かな、、、という感想たちです。


さて、冒頭で紹介したラジオの書き起こしで、アメリカの人たちも今の所、感動したのは感動したけど、何に感動したのか分からない,,,と言うような反応の段階だと言うようなことを書いてありました。

以下、ネタバレがあるかもしれません。


漫画にも映画にも「だれかの夢はだれかの悪夢である」という言葉があります。この言葉をアメリカの人と原爆についての作品で共有するとはなんとも不思議なことです。映画を見る人は実際には原爆を作ってもいないし落としてもいないし今は戦争相手の国でもないにしても、かつて遠い昔には日本もアメリカもお互いに、良い条件で戦争を終わらせるために敵対していて、当時は共有する物は霞んでいたはずだからです。

広島から呉にお嫁にいった すずさんが、戦争で失ったものはすずさんにとっての悲しみでした。すずさんはそれは誰にも分からないものだろうと感じて苦しむのだけれども、映画を見る人間の目には日本の町の景色だったり思い出だったり歴史だったり、その人その人の戦争で失ったと見做す記憶を思い出させていくのです。すずさんの苦しみそのものは分からないけれども、似た苦しみを通して繋がっていきます。似た喜びでさらに繋がっていきます。
また失ったものが引き寄せた女の子は、漫画の中では未来は描かれていませんがエンディングの中では台詞のないイラストで育っていく姿を見せてくれます。


私は保育園に通っていた頃から、広島の記憶を語る近所の人たちの言葉や,原爆資料館の資料のすさまじさから広島にいくと肩に力が入っていました。そのどの怖さよりも漫画や映画に描かれた美しい産業奨励館(原爆ドーム)はもっと怖く感じた物です。アメリカの人は原爆ドームとあの産業奨励館が同じものだと気づいて映画をみるのでしょうか。平和公園と活気ある商店街とが同じ緯度・経度の同じ場所であると知って映画を見るのでしょうか。作品中で、「来月の6日」の部分は字幕にはなかったそうです。クラウドファンディングに参加した人の名前が延々と羅列されていたことも、この人達は誰なのかの説明や翻訳はされていなかったそうです。
共有出来るものを共有するために引っかかりになる物を排除して最初に紹介するのが正しい事かどうかは,私には判断できません。

ただ、原子爆弾や空襲を経験した国の人間と、その攻撃をした国の人間が同じ作品をみて,どちらもが同じものに心が動くならばそこで共有した物は、この先に前向きに関わっていくには必要なことなのかもしれないとは思いました。



生きている人や生きている時間を殺したのは人間で、そこから這い上がり生き続けたのもまた人間でした。生きている人はその人の思い出の宿る器で、生きていなければそれは引き出すこともできません。
今日、今,このときを生きている事を大切にすること。自分だけでなく、家族や友人の今、恋人の今、意見が合わない人の今、会ったことのない人の今のどれもかれもを慈しむ力を人が持つことがもし出来たならば、それは悲しいくらいに美しいことで、未来を変える力になのかもしれません。

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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務
      (産婦人科医・外来のみ、H27年5月より)
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2017年5月28日(日)に高松社会福祉総合センターで第二回目の四国母乳育児を学ぶ会は盛況に終わりました。みなさまのご協力に感謝します。




by Dr-bewithyou | 2017-08-27 21:27 | 残したいもの | Comments(0)

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