出なくなった?

何度か、このテーマでは書いているのだけど、最近続けてそのようなママ達とお会いしたので改めて書いてみます。ママ達が迷うのは
◇赤ちゃんが飲んでも飲んでも欲しそうに口をぱくぱくするとき
◇おっぱいが張らなくなったり、ブラジャーがゆるくなったとき
◇授乳回数が急激に増えたとき

が多いようです。やはり、ずっと一緒にいるのでママ達は自分たちで精いっぱい問題を解決しようと四苦八苦していて、
◇おっぱいを搾ってみる
◇授乳時間を延ばしてみる
◇授乳回数を増やす
◇不安でミルクを足す

と言う形で対応していくことが多いようです。


それぞれに、困ったときに何とかしなければいけないと赤ちゃんを思う気持ちから一生懸命に考えて行動していることは素晴らしいことです。それをさらに、有効に対応していくにはどうもおっぱいの仕組みを知っておく必要が有るようです。

ラレーチェリーグの、は、
字が多いのですが大切な情報が優しい言葉で書かれていて役に立ちます。
また、日本母乳の会の書籍紹介にある、
「初めての母乳育児と心配事解決集」や「母乳育児なんでもQ&A」と言う本は、
ファックスまたは電話注文では有りますがイラストの多い分かりやすい文面です。

これらの本から知識を得ておくことは、問題解決の近道となりそうです。また、悩んで工夫して考えて選んだ
◇絞ってみる

と言う解決法は、おっぱいの出る仕組みを知らないとよく出るおっぱいでも、搾ってもほとんどでなくてガッカリすることが有ります。私はかなり上手に(*^^*)搾乳をしてあげられますがそれでも絞ってもほとんど出ないママのおっぱいを実に上手に吸いだす赤ちゃんはとても沢山いるものなのです。慣れていないと、搾るのは結構ワザが要るので、本当に出てないから出ない方ばかりでないことが有ります。また
◇ミルクを足してみる

と言う解決法は、ミルクやほ乳瓶はとことん嫌がる赤ちゃんもいますが、余り気にしない赤ちゃんではたいていお腹が空いていなくても珍しいものをお腹一杯でもごくごく飲むものなのですが、必死になっているママにしてみたら「あぁ、やっぱり足りないのね」とガッカリすることがしばしば見受けられます。そして、ミルクを、おっぱいが出るのとは違う仕組みで沢山のミルクが出てくるほ乳瓶から飲むことで、おっぱいの飲み方を忘れたり、お腹が空いていないのにさらに消化の悪いミルクを必要以上に飲みすぎて授乳回数が減ったりすることで、見る見る母乳分泌が減ってくることが有るのです。だから実は簡単そうに見えるのですが、ミルクを足すことはとてもこまやかな観察と評価の上で行っていく必要の有る方法といえるでしょう。

今までにも、投稿してきました記事は左下の「タグ」>「泣く」、「足りない」などを見て頂くと色々な記事をあげてきましたが、赤ちゃんが泣くときには必ず理由があります。それをどうやってみつけていくか、を、赤ちゃんを先生として一緒に探していくこととなるのです。

そして、まず、あなたの赤ちゃんの体重が一日平均で最低体重から20g〜60g増えていたらおっぱいは足りています。でも、それは数日間かからないと分からないよぉ、と、不安に思うようでしたら、コツコツとおしっこの回数を数えて、紙おむつで一日に6回以上の排尿、布おむつで7回以上の排尿と、一日に二ー三回のうんちが出ているのを確認してみましょう。眠りがちの赤ちゃんは難しいのですが、服を着替えさせてみたりおむつを替えたりして3時間までには起きてもらって授乳していくことも、「吸い出した分だけ分泌する」と言うおっぱいの仕組みには役に立つものです。


ただ、それだけでは追いつかないときは「くわえる(ラッチオン)」の問題があるときです。身近に専門家がいないときは、おっぱいでらくらくすくすく育児と言う本に、くわえ方の詳しい本が参考になるかと思います。


赤ちゃんは、おっぱいで生きていきます。だから、必ずおっぱいを飲むように出来ています。ただ、最初のうちはおっぱいにくっつくことで「ここなら大丈夫」と安心することが嬉しくて、くっついているうちにおっぱいが沢山出るようになる、という仕組みがあるのは、本当に素晴らしいことではないでしょうか。

おっぱいは、思ったよりも深い場所から分泌しています。赤ちゃんのお鼻やほっぺがくっつくほどしっかり抱っこ出来ると、より沢山のおっぱいが赤ちゃんの口に入ります。息ができなくて苦しいほど抱きしめたら、赤ちゃんは黒っぽくなってぐったりしますが、心配しなくてもそれ以前に必ず呼吸をしようともがいてくれるのでその時に、呼吸がしやすいように助けてあげておけば大丈夫です(^0^)


出てたはずなのに出ない気がする、、、その中には生後3ヶ月から5ヶ月くらいには急激に成長して本当におっぱいが足りないときも有ります。そんなときは、焦ってすぐにミルクを足さずに4−5日、授乳回数を増やしておっぱいが沢山作られ始めるのを、待っているうちにまた沢山のおっぱいが出るようになると言われています。だから、健康な赤ちゃんならば四五日を頑張っていつもより回数多い授乳を続けてもあかちゃんを苦しめることにはならないし、「あら、又、間が開き始めたわ」と納得することとなります。


出ないかな?赤ちゃんは辛くないかな?と、思うことは、あなたがママになった一つの証だと思います。赤ちゃんを生んだ人は、みんな育てる力を隠し持っています。よくよく赤ちゃんを観察してそして自信を持って育児を楽しんでもらえたら嬉しいです。
Commented at 2006-11-19 23:36
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Dr-bewithyou at 2006-11-20 20:35
鍵コメさま>
リンクありがとうございます。ふっくらとしてきた赤ちゃん達との生活を楽しんでいらっしゃるのですね。

まず、個人差はあるのですが分泌量は吸い出せば吸い出すほど増えるものなので、多い人だと一度に400〜500mlの乳汁分泌が得られることが有ります。

それは一般論としまして双子の赤ちゃんとのおっぱいライフでは、それぞれの赤ちゃんのおしっこの回数はどのくらいか、気をつけてチェックしてみてたまに体重を量って生後4ヶ月くらいまでは一日平均20〜60gの増加が有れば心配ないと言われています。

今の赤ちゃんの体重や健康状態などが分からないのであくまでも一般論ですが、双子のママは双子の赤ちゃんを養うだけのおっぱいを出す能力を多くの場合持っています。私も実際に二人をちゃんと養っているママを、「出るもんやなあ」と感動しながら見守ったことも何度か有ります。

ご近所に、おっぱい支援のできる人たちがいらっしゃるかもしれません。(ラレーチェリーグのリーダさんとかIBCLCとか赤ちゃんに優しい病院とか)
Commented at 2006-11-21 22:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Dr-bewithyou at 2006-11-21 22:52
鍵コメさま>
ささやかでも参考になったようで安心しました。

目を合わせて赤ちゃんを見てないので一般的なお返事になりましたが、
赤ちゃんの健康を気遣い、大切に思うお母様のこころは、
必ず赤ちゃん達に届いているかと思います。

そうそう♪
大切なことはみんなおっぱいが教えてくれた。
大切なことは赤ちゃんが教えてくれた、と言う先輩ママさん達がいます。
赤ちゃん達が一緒に答えを探してくれることでしょう。

様子を聞かせてくれてありがとうございます。
Commented by 彩花 at 2006-11-23 21:18 x
お久しぶりです。
あと2日で生後3ヶ月となります。
覚えてくれてるでしょうか・・・・?

その後もずっと完全母乳で頑張れています(*^∇^)

入院中に私がおっぱいの事で落ち込んでた時に
助産師さんがこの【おっぱいでらくらくすくすく育児】という本を貸してくれたんです。
この本を読んでいや、やっぱりがんばろう!って思ったのを思い出しました(*^_^*)

これから私もおっぱい足りないの?っていう事があるかもしれません。
でも諦めずに様子をみて続けていこうと思います。




Commented by Dr-bewithyou at 2006-11-24 00:03
彩花さま>
おひさしぶりです。もうすぐ三ヶ月になるんですね。
WHOの体重の増加曲線は参考になっているでしょうか。

生まれてすぐには出なくて痛くて眠くて大変だった数日を越えて、
今こうして楽しそうに育児生活ができるようになったママの声が、
新米ママさんには、何よりもの励ましになると思います。

コメントありがとうございました(^0^)/

Commented by kamenoie at 2006-11-30 23:23
はじめまして。
母乳育児について検索していて来ました。
私は先月まで4歳と2歳の子どもタンデム授乳をしていたママです。
ラレーチェリーグの本、情報もさることながらやさしい語り口がよいですね。
今日、ラレーチェリーグのCSTを受けてきました。
他にも書きたい事がたくさんありますが、まずはリンクを頂いたのでごあいさつです。
よろしくお願いします。
Commented by Dr-bewithyou at 2006-12-01 18:52
kamenoieさま>
始めまして。リンク、ありがとうございます。

ラレーチェリーグのCSTは、興味は有るもののまだ経験が有りません。
貴重な学習が出来た事かと思います。

貴重な体験をされた、お母様が、
やはりママ達の一番の味方なのだと思います。
育児体験の無い人間の育児ブログです。
もし、「あれ?」と思う点が有りましたら
ご指導いただけましたら、と思います。

Commented by ゆーか at 2007-10-25 22:50 x
はじめまして、ゆーかと申します。
現在母乳育児一ヵ月半という新米ママです。

本来、哺乳類である私たちが母乳で育児をするのは当たり前だと思い、当然のように完全母乳を目指していたのですが、知識が不足している&情報が入り乱れていることもあって、時々母乳育児を続けていくことに不安を感じることもあります。

このブログには、そんな不安を解消させてくれる情報が多々あって、非常に参考になります。これからも頑張ってください!

ところで、少し教えていただきたいのですが
一日7~8回のおしっこがあれば母乳は足りているとのことですが(布オムツを使用しています)
7~8回おしっこをしていても、体重が増えないということはありえるんでしょうか??

実は一ヶ月検診以降は自宅の体重計でしか計っていないのですが、ここ2週間ほど体重が増えていないような・・・?

つまらない質問で申し訳ありませんが、教えてください。
よろしくお願いします。

Commented by Dr-bewithyou at 2007-10-26 21:51
ゆーかさま>
はじめまして。当たり前だ!と思い、当然のように目指す完全母乳。まず、その健全な思いを持っていることに拍手です。ここが「当たり前」を実行するお役に立てるならば嬉しいです。ありがとうございます。

さて、体重が増えてないのでは、と、心配に思ってらっしゃるのですね。全然つまらない質問ではないですよ(*^^*) ただし、実際にお会いしていないので参考までにお読みください(*^^*)

自宅の体重計というと大人の体重計なのでしょうか。1gまで測れる体重計で体重を量っているのでしょうか。2週間というと、280g以上の体重増加がめやすになります。(体重は保健センターや、お産をした病院でも測ってくれることが多いです)

>>>続きます
Commented by Dr-bewithyou at 2007-10-26 21:52
ゆーかさま>続きです。
そこに足りなくても、赤ちゃんがご機嫌で、おしっこも出ているならおそらく急ぐ理由はないと思いますが、確認として、
◇授乳時間が短くて脂肪分の多い後乳が飲まれていない
◇授乳回数が少ない
◇赤ちゃんのくわえ方が浅いときは母乳が出ていても飲む量が減ることがある
…そのあたりのチェックが原因を見つけてくれることがあるようです。

小児科の先生か、母乳育児に興味を持つ助産師さんや保健師さんが、そばにいるとすぐに解決する問題を自分で色々考えて行くのは楽しみでも有り大変でもあるかと思います。
それでも、おっしゃる通りに、「哺乳類」である人間の子供が人間の母乳で育たないはずはないと信じていいと思います。

まずは、正確な体重を、裸にした赤ちゃんで量ってみることをお勧めします。
(^_-)-☆

Commented by ゆーか at 2007-10-26 22:55 x
丁寧な回答、ありがとうございます。

実は大人用の体重計ではかっているのです^^; 10日を過ぎたあたりから「200は増えてるはずだから・・・。」と、体重計を睨んでも一ヶ月検診のころとかわらない・・・。とりあえず保健センターで正確な体重を量ってみます!
Commented by Dr-bewithyou at 2007-10-26 23:13
ゆーかさま>
なるほど、大人用の体重計なんですね(*^^*)。

今は母乳育児の新しい知識が普及してきているので、
保健センターに、理解のある保健師さんがいるかもしれないですよね。

赤ちゃんがご機嫌にしてて活き活きとしていたら、
「元気だわ」と安心出来ると言うのはとても大切な思いです。

助産師さんとか、お勉強をしているママも、おっぱいライフには、
色々不安を経験されているんです。
是非、応援してくれる身近なひとを見つけてくださいね。
また、ラレーチェリーグでは「集い」と言う学習会もしていて、
お友達を見つけるチャンスを作ってくれています。
そういうものも、ご利用されるのも一つの力になるかと思います。

by Dr-bewithyou | 2006-11-19 16:49 | 問題発生 | Comments(13)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児支援(おっぱいライフ応援)をしている産婦人科医・IBCLC 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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