「赤ちゃんと言う人との出会い」

良い子を産み育てる会、でのレジメです。参加していない人にも、こっそりお見せします。


赤ちゃんの求めることは
すべて赤ちゃんに必要なことである。
赤ちゃんは愛されることで
人を愛することや人に優しくすることを学ぶ。


では、何を求めているのでしょう。
欲しいものをどのように感じて伝えることができるのでしょう。
赤ちゃんと言う人に「出会う」のは、いつなのでしょう。


赤ちゃんの胎内での発達の様子から考えてみましょう。

妊娠期間の成長
最終月経開始から約二週間で排卵→受精→着床→→→ 最終月経開始から280日頃出産

耳 :妊娠24週頃  ←ほぼ耳の形が完成する
    25−26週頃より音に対する脳の反応が始まり赤ちゃんは子宮内で母親の心臓や腸の音や外界の音が
    聴こえるにぎやかな場所に1日いる。その音達に混じった母親の声を聞いている。


目  :妊娠30週頃  ←ほぼ目の形が完成する 
    28週頃より光に対する脳の反応が強まり、出生時には近視眼的では有るがすでに少し目は見えている。
    子宮の中はほとんど光の入らない真っ暗な空間である。生まれてから視神経は発達していく。

→ ここで赤ちゃんに出合うためには、、、
胎内にいる赤ちゃんを優しく触ったり、挨拶(おはよう、おやすみなさい、いただきます等)をしたり、独り言と思わずに世間話をしたりしてみると赤ちゃんが動いたりして反応することが有ります。 
ただし、赤ちゃんの集中力が持つ時間は短いので同じ刺激が同じ反応に繋がる訳ではないようです。



 
分娩の進行
子宮の収縮が定期的に起こることで、赤ちゃんが子宮の出口を広げながら骨盤の中の産道を通って生まれてくることを分娩と言う。ある程度分娩が進行すると卵膜が破けて破水がおこり(時に陣痛より先に破水が起きることも有る。また分娩が近づくと医師や助産師が卵膜を破くこともある。)赤ちゃんが生まれてくる。大量の出血が起きるのは何かの問題が有る可能性が有る。

子宮の収縮するときに感じる痛みを陣痛と言い人間が経験することのできるもっとも強い痛みの一つに数えられている。この陣痛は長くても継続は大抵の場合50秒以下で、間欠期と言う痛みのない時間の方が長くて数分あるのが普通である。この痛みを「不快なイヤなもの」「怖いもの」ととらえるか、「赤ちゃんに出合うための大切なパワー」ととらえるかでも陣痛の体験は個人個人で違う種類の痛みとして経験される。
陣痛がないと赤ちゃんに出会えないことを前向きにとらえたお母さんの中には「陣痛は痛かったけれども楽しかった」と産後に感想を述べた人もいる。
   ※様々な事情から帝王切開という外科的な分娩法が必要なことも有る。

→ ここで赤ちゃんに出合うためには、、、
陣痛の痛みは実は赤ちゃんと一緒に経験していきます。ここで始めて赤ちゃんと言う「人」の存在を意識したと言う人もいます。
全身の筋肉が緊張していると産道もまた締めつけるために痛みをより強く感じるかもしれません。大切な痛みとは言え大変な経験では有ります。その時に呼吸だけは自分の思い通りになりますので大きく深呼吸してみましょう。しっかり息を吐きだして、意外と固まっている身体にゆったりと大きく息を吸い込んで上げましょう。筋肉の緊張を緩めてほぐすきっかけになります。
深呼吸すると子宮の血流が増えて赤ちゃんを楽にしてあげられます。 お父さんは頑張っているお母さんに「よく頑張っているね」と褒めてあげたり、腰をさすってあげたりしてお母さんのリラックスを助ける形でお産に参加出来ます。

  

      
生まれたばかりのの赤ちゃんの能力
聴覚:赤ちゃんはお母さんの心臓や腸の音や外界の音が間断なく聴こえた羊水の中から、お母さんの声がはっき
   り聴こえる空気の中に出てくる。生まれた時点で母親の声をすでに覚えて生まれている。
視覚:真っ暗な子宮からまぶしい空気の中に生まれて来る赤ちゃんは生まれたての時期でも30cm位までは見
   る事ができるためじっとお母さんを見つめることができる。
   赤ちゃんは物の輪郭を見る傾向があり福笑い状態のものよりは人の顔の形をしたものをより好む。
味覚:羊水に似ると言われる母乳の味の他に、甘い味、酸っぱい味、苦い味は理解出来るようである。
嗅覚:アルコールで拭いた乳首よりも、拭いていない乳首に対してより好んで探索行動をおこす。
触覚:子宮の中のように優しく抱きしめられるのが赤ちゃんは好きで肌の触れあいの時間が増えることで
   自律神経の働きも安定し脳の受け止める情報の嵐に興奮して泣く時間も減ってくる。

→ ここで赤ちゃんに出合うためには、、、
生まれたての赤ちゃんの意識はしばらくははっきりしています。優しく語りかけてあげましょう。カンガルーケアといわれる裸のお母さん胸の上に裸の生まれたての赤ちゃんの胸を合わせて抱いてお母さんの暖かさを伝えてあげる方法が有ります。その状態でリラックスした赤ちゃんは自分でおっぱいを探しくわえる事さえできます。(病院によってはカンガルーケアを行っていないこともあります。行っている病院でも赤ちゃんの状態によって行えない時も有ります)
お父さんもそっと赤ちゃんの手を触ってみてください。赤ちゃんはお父さんの手をしかりと握ってくれることでしょう。
赤ちゃんに触れた時に初めて赤ちゃんに出会ったと感じる人もいるでしょう。
もうすでに「赤ちゃんと言う人」と暮らしていることを意識しているお父さんやお母さんでは「ようやく逢えたね」と感じる時間でもあります。
子宮の中も居心地は良かったけれどもここも好きだと感じられるように、優しく抱きしめてあげて空気の中に出てきた衝撃を和らげてあげましょう。

赤ちゃんが泣いてしまった時は大抵は遅すぎるサインです。お口を動かしていないか、おめ目がキョロキョロしていないか赤ちゃんを観察することで赤ちゃんが必要としていることを探すことを繰り返すうちにゆっくりと赤ちゃんの欲しいものが少しずつわかるようになってくることでしょう。お母さんやお父さんというのは赤ちゃんを守り育てる最高の専門家なのです。



・・・豊かな妊娠・出産・育児を体験することに今回の話が役立ってくれることを願います。







《参考文献》

人体発生学・第3版(Moore )  医歯薬出版株式会社
改訂版だれでもできる母乳育児 (ラレーチェリーグインターナショナル)  メディカ出版
赤ちゃんには世界がどう見えるか (ダフニ&チャールズ・マウラ 吉田利子訳) 草思社
胎児からのメッセージ (高橋悦二郎)  二見書房
胎児・新生児の神経学 (佐藤潔・高嶋幸男・中野仁雄編) メディカ出版
ソフロロジー式分娩教育(エリザベット・ラウル)  メディカ出版
Your AMAZING NEWBORN (M.H.Klaus,P.H.Klaus) A MERLOYD LAWRENCE BOOK


by Dr-bewithyou | 2007-11-05 23:06 | 赤ちゃんの能力 | Comments(0)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児(おっぱいライフ)の応援をしている産科医 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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