生まれて間がない頃で、なかなか体重が増えない時

産後すぐからせっせと授乳して、夜も寝ないで頑張っているのに、
赤ちゃんの体重が産後4日目5日目になっても減っている方が
時々いらっしゃいます。

ママは「何とかして、赤ちゃんに自分のおっぱいをあげたい!」と、
とっても一生懸命に育児をしています。


まず、その気持ちはとても尊いものなのです。
自分の赤ちゃんを自分の持てる力で健康に育てたいと思えばこそ、
一生懸命に寝ている赤ちゃんを起こしながら、
夜もずっと授乳をしながら頑張っているのです。





でも、体重は増えない。。。そんな時、、、

やはり赤ちゃんの健康に何か問題がないか、は、
産院の先生や助産師さんのプロの目で見てもらう必要があります。
残念ながら、日本の産科の先生も小児科の先生も、
「当たり前」は、ミルクをきっちり飲んできっちり育つ子だ、
と言う事実があるのですが、それでも、体重が増えない裏に、
健康の問題がないのかは大切なポイントになります。


そのうえで、、、
◇1◇乳汁は産生されているか?
◇2◇その産生された乳汁が赤ちゃんの口に入っているか?
◇3◇これは赤ちゃんの健康の問題にも繋がりますが、、、
 最後に飲まれた乳汁が赤ちゃんの身体に消化吸収されているか?

と言うところに目をつけて行く必要があるのではないでしょうか。



◇1◇産生
出ているかどうか?と、心配して搾ってみるお母様は多いです。
ただ、おっぱいが出る場所と射乳反射のタイミングとを
見抜くのは結構大変です。
退院してしばらく経った時になれば自分で工夫して搾ってみるのも
一つの手かと思いますが、入院中は、
助産師さんなどのプロに判断してもらう方がよさそうです。

実際に搾るのではなくて、赤ちゃんの尿量が
赤ちゃんの口に入った水分の量を想像するのに役立ちます。
ニューマンさんの教科書によると生まれた次の日、で、1日1回。
二日目で一日二回。
三日目で一日三回。。。
そして、生まれて一週間位してきたら一日に紙おむつで6回位の
おしっこを確認出来たならば、
口に十分な水分が入っている証拠になります。

うんちの色は最初は深緑色で日に日に黄色から黄土色っぽくなりますが、
生まれて3日目にはうんちが黄色っぽくなっていることも
大切な観察ポイントになるかと思います。



◇2◇赤ちゃんの口に入っているか
ここが大きなポイントのママが多いです。
作られているおっぱいが、赤ちゃんの口に入っていない場合です。

例えば、キンキンに張って触れないほど痛いおっぱいの場合、
作られている乳汁が何らかの加減で出ていないことがあります。

本当はおっぱいが張って痛くなる前に授乳と言う行動を
開始したならば、その痛みは出なかったのかもしれません。
ただ説明の都合上、今の時点ですでに痛みが出ている場合、と
思ってください。

赤ちゃんが寝がちの子だと「起こしてまで飲ませるのは可哀想」
と思われるお母様は少なくありませんが、
授乳回数は、おっぱいの出る量に直接つながります。
やはり、寝ている子は、
2−3時間ごとには起こして飲ませてあげましょうね。

乳首がカチカチだと赤ちゃんのかわいい小さなお口には
乳首が入るのが至難の業となります。


ここを改善するために、力を発揮するのが、
ミミタコの、ポジショニングとラッチオンになるわけです。
このブログでは、ポジショニングとラッチオンの話を、
文章で書くのでなかなか分かりにくいかもしれないです。

分かりやすい本としては、
母乳育児が必ずうまくいく本―誰もが知りたかった知恵とコツのすべて
ジャック・ニューマン / / メディカ出版

おっぱいでらくらくすくすく育児―母乳の方が楽だった?!
北野 寿美代 金森 あかね / メディカ出版

この辺りの本を手に取って頂くと、少しは分かりやすいかもしれません。



残念ながら、小児科のドクターや、保健師さんは体重の伸びが悪いと、
即刻ミルクの追加を指示することが多いのが現状です。


実はミルクをあげれば、簡単に体重は増えます。
ただし、
母乳がどんどん出始めるのは遅くなります。
さらに
母乳の脂肪分はリパーゼと言う脂肪分解酵素も入っているために、
ミルクと同じ量を飲んだ場合、母乳の方が体重は増えやすいのです。

ミルクは分量とお湯の温度さえ守って作れば誰でも同じものが作れます。
ただし、
ミルクには免疫成分や酵素やホルモンなどは入れることが出来ません。


ミルクをたっぷり飲んだ赤ちゃんはよく寝ているように見えます。
ただし、
抱っこして欲しい!と思って泣いたのに、
ミルクを哺乳瓶から飲むのは簡単なので飲んだのかもしれません。



母乳は簡単に増えない!、と思っている専門家も多いのは
残念なことです。

授乳回数を増やす。
痛くないように抱いて飲ませる。
母乳が分泌される部分に赤ちゃんの口がくるようにによく観察する。
などのそれほど大変でないことをまずやってみる値打ちは、
間違いなく有るのですから。



それでも体重が増えない時、その時初めて◇3◇を考慮
したので、私は遅くないと考えています。




決してお母様のやる気がないせいではないのです。
おっぱいのでる仕組みと、飲み取るコツをまだ掴んでないだけなのです。



合併症などの病気のない赤ちゃんならば、
排尿や排便がきちんとあって、ご機嫌でいて、
体重の伸びだけがゆっくりであるだけの赤ちゃんに
ミルクが必要なのかどうかは、結構デリケートな問題なのです。

おっぱいの事情を理解した支援スタッフが増えることも
希望としては望ましいのですよね。本当は。



赤ちゃんはおっぱいを飲む力を持っています。
ただ、おっぱいの出る場所に自力で移動することが出来ないだけです。

おっぱいを飲まれて痛いときは、かならず何かしらかの、
工夫をする隙間が有るものです。
痛くないように飲むようになれば、おっぱいの量も、
すう〜っと増えてくることもしばしば観察します。


赤ちゃんの体重が安心出来る位に増える(一日当たり20−60g)
コツを見つけられるよう、応援していますね。
Commented by takaichi at 2008-11-04 15:59 x
ありがとうございました。
今いろんなページを拝見しました。
今日帰ってから、搾乳をして飲ませています。
ただ、哺乳瓶ではなく、プラスティックの容器で飲ませたり、離乳食用のスプーンを使ったりしてます。
げぼってなりつつあるけど、飲んでくれてます。
母乳育児の大切さを学んでから、どうしても母乳だけでがんばりたいです。
義母や実母からはミルク、ミルクって言われ、泣いたらやったらいいのよ!とかまるで今の考えとは違うやり方。
それが結構ストレスですが、教えていただいたやり方でがんばります。
本当に心強いです。また教えてください。
お時間たくさん作っていただいてありがとうございました。
今度の検診には体重が増えるよう、がんばってみます!
Commented by Dr-bewithyou at 2008-11-05 22:04
takaichiさま>
赤ちゃんに最高のものをあげたい、と、一生懸命なのが伝わります。
もちろん、一緒にいる時間の長い赤ちゃんにはもっと、
色々な思いが伝わっている事でしょう。
赤ちゃんをきちんと育てる事は、お母さんの責任として、
ずっしりと肩に乗っているかと思いますが、
赤ちゃんと触れ合う事を楽しむ贅沢も、
赤ちゃんにとっての大切な宝物になるかもしれないですね。


蛇足かもしれませんが情報を、、、
歩けない赤ちゃんが沢山おっぱいが出る場所を見つけることができる、
そんな場所に抱きとめてあげることもかならず役に立つ事でしょう。

おっぱいが出る仕組みは、
「出た分が増えたら作るものが増える」
「赤ちゃんが深く乳首をくわえて授乳が痛くないほうが沢山出る」
「泣いてしまう前に飲みたいサインを受け取ってすぐに授乳する」
などは、もうチェックされたでしょうか。

ミルクを足しなさい!というお祖母ちゃんたちも、
赤ちゃんを元気に育てたいという気持ちは、
同じなところが難しいところだとお気付きでしょうね。

おむつがずっしりとおしっこで濡れるのが一日6回に足らないときは、
早めに赤ちゃんの体重チェックにお越しくださいませ。
by Dr-bewithyou | 2008-10-06 22:32 | 応援メッセージ:産まれる前後 | Comments(2)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児支援(おっぱいライフ応援)をしている産婦人科医・IBCLC 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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