乳房膿瘍と、自分で決めたいあかちゃんと:その2

以前ここで書きかけていた
乳房膿瘍と、自分で決めたいあかちゃんとの続きです。

乳房膿瘍と、自分で決めたいあかちゃんと:その2_d0063558_15541454.jpg


初診の日の夜、痛みがひどくなったとお電話がありました。
発熱などではなく、痛みだけでしたので
次の日(もしかしたら土曜日だったかもしれないので、
次の次の日だったかもしれません)の、
再診を電話を受けたスタッフにお願いしてもらいました。
(たいていの、乳腺炎の場合は、それでも、
 十分に間に合うことから、通常の診察を指示しました)



再診時に新しい問題に気付いて行くことになったのです。

膿瘍は増大はしていないものの、全く縮小を認めず、
切開せずに診て行ける限界くらいの状態でした。
発赤も強く痛みも続いていました。

さらに、ここが、特にこの方の対応で、
お母さまと一緒に、どうするかを考えないといけなかったのが
彼、Aちゃんは、ずっと馴染んできたフットボール抱きでない
横抱きやら交差横抱きやらに、猛烈に怒っていたことなのです。

たった4ヶ月なのに(・_・;)

彼にとって、おっぱいは、クッションの上にノビノビと横になり、
ちくちくとママのおっぱいを口から出したり入れたりしながら、
飲むものだったのです。


そして、お産の施設とマッサージの先生から
「3時間ごとに10分ずつ両方」と、時間制限を
受けていることも、お話の中から分かってきました。

また、お母さまは帝王切開でお産してお腹に傷ができたことも
ちょっと悲しく思っていらっしゃっていて、
さらに、乳房膿瘍の治療でまた、からだにメスを入れれば、
またケロイドが増えることをとても恐れていらっしゃいました。


新しい飲み方に、Aちゃんが慣れるまでに、
膿瘍がもっと大きくなりそうなこと。
また、乳首の近くまで硬結が及び乳房緊満が強いため、
このままでは深い吸啜は難しいと判断し、
切開しないならばせめてと、注射器で排膿(膿を出すこと)しました。



通院も大変で(慣れない土地で、夫に仕事を休んで
連れてきてもらうにせよ、タクシーで来るにせよ、
とにかく通院は大変そうでした)
初診時と同様に、ミルクにすれば、
通院はせずに済みそうなことが望みなのだとのことでした。
この痛みも大変だけど、通院の大変さがなくなれば、
子供にももっと優しく接することが出来そうだと、
いろいろな人に気を使いながら心配されていらっしゃいました。

この日には、確か、
横抱きでの授乳が何とか出来ました。
フットボール抱きは診察室では、ご自宅の環境を再現するのが、
難しいのと、膿瘍の位置の問題で、
フットボール抱きでは治療効果が低いと判断したうえでの
選択でした。

よくよく、Aちゃんに、
「あなたのやりたい方法と、ちょっとちがうけれども、
 ママが痛くない方法を探したいからお願いします」と、
お願いして試みました。
(よく笑われるのですが、、、治療の授乳のときは、
 赤ちゃんにお願いしておくと、協力してくれる気がして、
 つい、お願いしてしまう私なのでした)


(写真は、栗林公園の名残の桜です)

(続く)






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おしらせ:
平成22年4月から活動拠点を松山市から
香川県高松市に移動しましたm(_ _)m
同じ思いでお産を見守る助産師さんとの出会いも
あったらステキだなあ、と思っております。





Commented by みずきママ at 2010-04-17 17:06 x
はじめまして。質問させてください。先月 無菌性の乳腺炎と診断されフロモックスとダーゼンを処方されました。その時はよくなりましたが 次の週もまた同じ症状で薬をもらいました。そして今週またしこりと  チクチクする痛みがありました。助産師さんに勧められた圧迫授乳と 頻回授乳をしたところ しこりはなくなりました。(チクチク感はまだあります)このようなときは どう対処し また次にならないためには どうすればいいでしょうか。私は 過分泌の傾向もあるみたいで マッサージに通っていいものなのかも悩んでいます。
お忙しいところ 失礼しました。
Commented by パンダ at 2010-04-17 23:48 x
8月末に先生にお産から一ヶ月検診までお世話になりました。

主人の仕事の関係で、半年だけの松山市での生活。
慣れない土地での出産と少しの間の子育てはとても不安でした。
入院中の赤ちゃんとの検診や一週間検診、一ヶ月検診、先生が赤ちゃんに話しかけながら、お願いしながら、赤ちゃんの立場に立ちながら、診てくださることに、とても心暖まり、ほっとしたのを覚えています。

新しい土地でも、是非頑張って下さい。
Commented by Dr-bewithyou at 2010-04-18 18:07
みずきママさま>
三回も続けて乳腺炎になってびっくりされたでしょうね。

いただいたコメントからでは詳しいことはわかりませんが、
ここのブログの「タグ」の「乳腺炎」の項目を
すでに見つけてお読みになって、問題は解決しましたでしょうか。

繰り返しかかるときには、ほとんどのおやこが、
母乳の流れを妨げるような抱き方やくわえ方で、
授乳回数ばかりが増えてもうまくいかないと、悩んでいることが、
多いようにお見受けします。

抱き方は、このブログが絵の投稿が難しいため、
何とか文章で書こうと挑戦していますが、
「乳腺炎」のところだけでなくて「産後すぐ」のところにも、
言葉を変えていろいろと書いてみています。

ブログ内検索で「ポジショニング」(抱っこの仕方のこと)、
「ラッチオン」(くわえること)の言葉の検索も、
みずきママさまにお役にたてる情報があるかもしれないです。

乳腺炎は、必ず赤ちゃんと二人で、予防できる病気のひとつです。
焦らずに、うまく乗り切れるようねがっております。
Commented by Dr-bewithyou at 2010-04-18 18:34
パンダさま>
応援のお言葉を、どうもありがとうございます。

何かする時には赤ちゃんに、つい話しかけてしまうのですが、
それをママに、
>とても心暖まり、ほっとしたのを覚えています
と思ってもらえて、ホッとしていただくきっかけになれて
嬉しいです。

転勤族なのでしょうか。環境が変わっても
どうか、赤ちゃんと、幸せな毎日を送ってくださいね。
Commented by まるこ at 2015-03-17 21:27 x
いつもママと赤ちゃんへの愛情あふれる記事をありがとうございます。記事を読んで、出産して2日たった時のことを思い出しました。授乳を左右のおっぱいで交互にするため、赤ちゃんの口から乳首をはずすとき、何も言わずにはずすと泣いていましたが、「おっぱいはずすよ~」と言ってはずすと、泣かずに次の乳首を待っていました。赤ちゃんは、ちゃんと聞いているんですね。
Commented by Dr-bewithyou at 2015-03-21 09:29
まるこさま>
貴重な体験を教えてくださってありがとうございます(^o^)/

うちの子、言葉が分かるんです!と、ワクワクして周りの人にいうと、
「そうでしょう?赤ちゃんって凄いですね」と、
みんながリアクションする時代になったら、
育児のワクワクが更に広がりそうですね。

赤ちゃん研究も色々と進んできているようです。
そういう物も、発信して行けたらな、と思っております。
by Dr-bewithyou | 2010-04-16 16:00 | お母さんの体験談 | Comments(6)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児支援(おっぱいライフ応援)をしている産婦人科医・IBCLC 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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