「私の母乳はいつ足りるようになるのでしょう」

と、タイトルの質問をいただきました。

赤ちゃんがすぐ泣くんです。。。
で、ミルクをあげても40mlくらいしか飲まなくて。。。
だから、ミルクも何日に一回くらいしかあげないのだけど、
でも、足りてないみたいで。。。


ちゃんと、母乳の出る仕組みや、
足りているかどうかの評価の方法を
お伝えしきれなかったなあと、反省です。

また、これは裏付けの有る事ではなくて、
私が感じていることなのですが、
赤ちゃんとのつきあい方を学ぶためには、
現在勤務中のクリニックのような
お昼間だけ、希望者だけの母子同室では不十分な
可能性があるのではないでしょうか。

赤ちゃんとのつきあい方を学ぶ方向性を掴めないうちに、
赤ちゃんとの生活が始まってしまうかもしれません。


お母さまたちは赤ちゃんといっしょにいると、
とても真剣に赤ちゃんの様子を観察しています。
ちょっと泣いても、または顔をしかめても不安になる人もいます。

そんなときに、「3時間ごとの授乳」もしくは、
それに加えて
「5(または10)分飲ませたら、飲ませるおっぱいを替えること」
を、おしめを替えて散々泣かせてから、、、という、
情報で育児をスタートすると、
沢山のものをシステム的に見落とす赤ちゃんの扱い方を
身につけてしまいかねません。

たとえば、一人一人違う赤ちゃんの性格。
時間の好み(規則正しいのが嬉しい子もいるし、
ムラっ気な子もいるし)。
おっぱい飲みたいサインに応えてあげたのだ、
と言う母親の満足感。


母乳不足感というものの対応は、
気持ちに共感して情報提供をすると言う以前に、
出産前に、
「おっぱいライフの当たり前」の状態の情報提供をしたり、
これが赤ちゃんの満足そうな表情なのですよ、と、
産後の生活のなかで、赤ちゃんの観察のポイントを
プロの目でさりげなく届けておくことなどの、
システムの改善も要るようです。

それを組み立てたものがWHO/ユニセフの
「母乳育児成功のための10か条」なのでしょうね。



足りている?か、どうかを、
医学的に評価する時は以下のポイントが分かりやすいです。

◇最低体重から一日平均20gの体重増加が有る事
 (一緒に赤ちゃんを見てくれる専門家がいない時は、
  新生児の1日辺りの体重増加の平均が30-35gなので、
  ご自身でひとりで頑張っているときは、
  25gは1日に増えているように管理した方が安心かもしれません。
  括弧内は平成25年9月7日追記)

◇紙おむつにずっしり6回以上のおしっこが出ること
 (布おむつでは7回くらい)



おっぱいライフは、ママだけががんばる主人公であるだけでなく、
赤ちゃんも、大切な、主人公と、考えてみると、
また、見えてくる景色は変わってくるのではないでしょうか。

ここ、ハグblogの、タグの、
「泣く」「足りない?」も、参考になるかと思いますので、
ごらんになってみてくださいね。




そうそう、タイトルの質問のお母さまの赤ちゃん、
一日40g以上、すくすくと育っていました。

赤ちゃんがおっぱいを欲しいよと、
ママにサインを送っていないか、よく観察してみてね、と、
情報提供したのでした。
泣いてしまってから授乳すると泣きやむのは難しいものなのです。





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おしらせ:
平成22年4月から活動拠点を松山市から
香川県高松市に移動しましたm(_ _)m
同じ思いでお産を見守る助産師さんとの出会いも
あったらステキだなあ、と思っております。





Commented by みずきママ at 2010-07-31 09:01 x
確かに「赤ちゃんとの付き合い方」を学ぶ前にママになりましたね。初めて抱いた新生児がわが子で 何をするにもオドオド・・・。
くしゃみ一つで「風邪??」とまた心配(汗)。
おっぱいは気持にも大きく左右されるから ゆったりした気持ちでね!と助産師さんにアドバイスされたことを思い出しました。
先ほど計算したらうちの小粒君ギリギリ20gの増加がありました!ただ おしっこがずっしりまでは出ません。私がすぐ変えているのもあるかもしれませんが、だいたい8~9回です。あまり心配せず ゆったりのんびり成長を見守ります。
Commented by Dr-bewithyou at 2010-08-01 07:22
みずきママさま>
つき合い方は、最終的には赤ちゃんが教えてくれますよね。
ただ、それを読み取るのにちょっと慣れがいるので、
それをお産の入院中に掴んでいただけたら良いなあ、と、
思っている次第です。

ラレーチェリーグの推奨する一日20gの体重増加だと、
小児科の先生によってはご不満を言われることもあるので、
みずきママさまの出会った
先生は、そこをよく診ようとしてくださっているのですね。
ありがたい先生です。
おしめは、こまめに替えてあげるのも、
コミュニケーションになっていることでしょう。

生後4カ月を過ぎる頃から、育ち方は少し緩やかになって行きます。
赤ちゃんがママをママにしてくれるのは、
当たり前でもあるけど不思議なことでもあります。
by Dr-bewithyou | 2010-07-30 09:04 | 問題発生 | Comments(2)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児支援(おっぱいライフ応援)をしている産婦人科医・IBCLC 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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