ミルクの値段のうちかなりの部分は、営業費の上乗せ

ミルクの値段のうちかなりの部分は、営業費の上乗せ_d0063558_73949.jpg



ミルク会社さんの調乳指導で信じて良いのは「笑顔」だけ、
と、思っていた方が安全です。


ミルクはどんどん消費するから、
安全なのがわかっているなら、一円でも安い方が良い。

そう思いながら、あまりに安いと「安全でないのかしら?」と
思うのは、化粧品の値段構造に似ています。

案外安すぎる化粧品は売れないのだと、
昔、聴いたことがあります。
こんなに安いのには裏があるに違いない。。。

で、育児用調整粉乳のかわりに安いフォローアップミルクを
購入してしまうのは危険です。
フォローアップミルクは安全な牛乳であって、
母乳の代わりではないのです。
残念ながらそのことをご存じない方は多いです。
。。。ミルク会社さんの調乳指導では、
フォローアップミルクの営業はするけど、
それが本当は必要でないことはお話しすることはないです。

でも、本当に不要な経費を削減することで安全に
ミルクが安価になるのは助かりますよね。




乳業さんの栄養士さん(=営業マン)の不誠実さの一つに、
70℃以上のお湯でミルクを調乳することの
理由を知らない方がミルク会社さんの調乳指導の
直後でも多いことがあります。

ミルク会社さんの栄養士さんが理由を話していないからです。

赤ちゃんを守るための70℃以上も、理由がわかれば、
お母様たちは気をつけます。
でも、ただ、70℃といわれていたら、時間がないとき、
40℃とか50℃とかで溶かしてみる事は充分考えられます。

何故70℃以上?は、以前の記事に詳しいのですが、
2007-07-21
2008-08-31
2009-04-14

さらに詳しい文献は
WHOのミルクの作り方のガイドラインの仮訳が厚労省にあります。
乳児用調製粉乳の安全な調乳、
保存及び取扱いに関するガイドライン
(仮 訳)

に、ありますが、「サカザキ菌」を殺菌するための処置です。

母乳もですが、乳汁は無菌ではないのです。
善玉菌もたくさんいます。


でも、調乳指導ではそのお話は、「70℃以上で作って下さい」の
結果だけです。本当に母親と赤ちゃんとを
考えた営業活動とは、かけ離れているのです。



だから、その営業活動を止めることは、
赤ちゃんのためにもなります。

貧しさから、乳業会社さんに資金提供を受ける産婦人科は
無数にあります。
某大学病院は、今更に、調乳指導を開始すると言います。
(恥ずかしいことだと、スタッフは言っていました)

でも、ミルクの質は向上しましたが、
営業マンの倫理意識は、お気の毒なほど低いままです。
発展途上国での営業活動はそのまま乳児死亡率の上昇に
つながっているというのに、、、。
それを防ぐためのWHOの国際規準
があるというわけです。


ミルクの営業マンを減らして、ミルクの値段をさげ、
そして、販路を広げたいというのはありがたいことですが、
少子化の時代、それで、高品質のミルクを作り続けられるか、
にも関心を向ける必要がありそうです。

高品質のミルクは絶対に必要です。必要なお母様が
いらっしゃるからです。

政府に、速やかに、国際規準の国際法と、
乳業会社保護のための政策をを立ち上げてもらいたいと
願っています。






和光堂栃木工場が増床、来年1月稼働 育児粉ミルク増産へ |下野新聞「SOON」
和光堂栃木工場が増床、来年1月稼働 育児粉ミルク増産へ
(9月4日 05:00)

 ベビーフード国内最大手の和光堂(東京都千代田区、岩上伸社長)は育児用粉ミルク増産のため、栃木工場(さくら市富野岡)の第11工場建設を進めている。稼働予定は来年1月。生産能力を現在の年間5600トンから、34%増の7500トンに引き上げ、シェア拡大を目指す。建設費用は60..



元記事
和光堂栃木工場が増床、来年1月稼働 育児粉ミルク増産へ
(9月4日 05:00)

 ベビーフード国内最大手の和光堂(東京都千代田区、岩上伸社長)は育児用粉ミルク増産のため、栃木工場(さくら市富野岡)の第11工場建設を進めている。稼働予定は来年1月。生産能力を現在の年間5600トンから、34%増の7500トンに引き上げ、シェア拡大を目指す。建設費用は60億円。栃木工場では1977年の操業開始以降、最大の設備投資となり、工場全体の延べ床面積は、24%拡大する。

 新工場は鉄筋コンクリート9階建て、床面積約7千平方メートル。液体の原材料を粉末化するスプレードライヤーなどの設備を新たに導入する。生産能力の増強に加え、国際的な食品安全性基準コーデックスへの対応など、品質保証能力もこれまで以上に高める。

 栃木工場は「はいはい」「ぐんぐん」などの育児用粉ミルク、「牛乳屋さんの珈琲」など、同社の粉末食品、年間約3万トンを全量生産。第10工場の育児用粉ミルク生産は、第11工場に全面移管する。

 同社は粉ミルクのシェア拡大に向け、1993年に調乳指導など産婦人科での営業活動を全面的に廃止し、「子育て応援価格」として低価格路線を推進している。2008年秋のリニューアルでは、アレルギーを起こしやすい成分を低減し、溶けやすさも一段と向上させた。

 少子化で国内マーケットが縮小する中、シェアを第3位の18%まで伸ばした(同社調べ)。新工場稼働により、2014年までに25%を目指す。

 角屋敷俊二執行役員栃木工場長は「私たちが作る粉ミルクは、価格だけでなく、品質にも自信がある。生産現場もシェア拡大に向けた取り組みを進めている」と話す。

 同社は2007年ににアサヒビールの完全子会社になった。

Commented by moonriver503 at 2010-09-06 17:33
こんにちは~その恥ずかしいHpの私です・・・
私達の力ではどうにもならず、実効ありきでの提案はそろそろGoです
しかし黙っちゃ~いられません・・・
実際に「指導」を見せていただき、不足事項、補足事項、除外事項などそして、実際にありそうな質問をして、どのように答えるかを聞き、指導もさせていただきました
ここまでやっても、納得はいきません!!
スタッフは、ジレンマだらけですもの・・・
でも、これで得られたものは、スタッフの(全員とは言いがたいですが)母乳に対する、自分たちのやってきていることに対する一体感かなぁ
スタッフ学習会が増え、参加率が上がりいいこともありました
前向きに頑張りまっす!!
Commented by Dr-bewithyou at 2010-09-09 09:57
hiroさん>
そうやって、逆に、監督下でコントロールできるようにすることで、
乳業さんが、イヤになってくれると良いのですが、、、、
実際に指導にくる営業マンは
赤ちゃんのためになりたいと真面目な人が多いのですよね。
だから、会社の方針にものすごく忠実で。

その方針自体が赤ちゃんのためになっていないことすら、
ご存じがない方がずいぶんと多いのです。てか、
会社の上からいわれたことを鵜呑みにするくらいの真面目さであって、
赤ちゃんのために研究や学習を重ねる深さはないことが多いとも
いえるのでしょうね。

(かつて、乳業さんの栄養士から、「赤ちゃんのためになりたい」と
 自然食のレストラン開業に転向した方もいらっしゃいました)

スタッフが、お互いに向上しようと団結できるのは、貴重ですよね。

めげないで下さいね。
そちらの県からは、せっかくの医師セミの事前登録は0人でした。
by Dr-bewithyou | 2010-09-05 07:12 | 情報メモ | Comments(2)

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