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母乳は飲んだ総量に比例して赤ちゃんに利益を届けます

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母乳がいいに決まってるけど、
ミルクだって結構良いもの。。。と言う前提で物事を捉えるからか、

「そんなに、赤ちゃんを泣かせて、、、。
 おまえの母乳、足りてないんだからミルクを足せよ。
 足りない母乳より、ミルクの方が赤ちゃんのためになるんだから」
そんなことを言うお父さん、、、まだまだ少なくないようです。

「あなたの母乳は水みたいなモノだから、
 ミルクをあげて栄養をつけた方が、赤ちゃんの免疫を守ってくれるわよ」
と、あまり深く考えずに呟く赤ちゃんのお祖母ちゃんやお姑さんも、
少なくないようです。



そこにはあくまでも、
無条件にミルクは良いもの、すばらしいもの!
という前提があるわけですが。。。その前提、、、本当に正しいのでしょうか。



人工乳は人間の母乳を加工した物だと勘違いしている人も
少なくありませんが、もちろん原材料の「生乳」とは牛乳のことです。

牛乳を薄めても人間の赤ちゃんには向かないので、
色々、分解したり、添加したりして作っています。

もちろん
重湯や、牛乳に砂糖を加えて煮詰めたコンデンスミルクよりは、
絶対間違いなくミルクは赤ちゃんを育てるのに向いています。


また、
ミルクは完全に無菌で清潔?、、、それもそうとは言いきれません。
母乳もですが乳製品というのはある程度の細菌が混じっていることが
珍しくありませんが、母乳の中にいる細菌の多くは、
赤ちゃんには害を与えない、
むしろ赤ちゃんの体を守るのに欠かせない物であることが
わかって来ています。

例えば、ミルクには、
1割くらいの製品に、サカザキ菌という、
胃腸炎だけでなくて、髄膜炎を起こす菌が混入しているために、
80℃のお湯で調乳するのですが、その事をご存じない方は
決して少なくありません。

サカザキ菌の詳しい説明はこのブログでも今までにも
度々書いてきました。
(★) (★★) 
上記以外にも、ブログ内検索をかけて頂いたら
同じような内容ですが、何度か書いています。

また、メラミンの混入はあくまでもあれは「中国のこと」「外国のこと」と
感じられている人が少なくありませんが、
肥やしや、牛の餌にもメラミンの混入が既に検出されていること。
日本でのメラミンに関する情報の発信がないことから、
これも、ミルクを見ただけで発見できる物でないだけに心配なものの一つです。



そういう様々な問題を抱えていても、
重湯で育児するよりは安心です。牛乳よりは安全です。


では、母乳にしか入っていない物は??

リンパ球や貪食細胞という免疫の役割を引き受ける細胞成分。
IgA(細菌などが赤ちゃんの体内に入らないためのの役割を果たします)。
オリゴ糖(ミルクにも入っていますが種類が極端に母乳より少ない)。
吸収の良い鉄。様々なホルモンやホルモン類似物質。酵素。
ママが食べたものの情報を伝える匂い物質。

タンパク質も、消化しやすい物ですし、
脳が使いやすいように乳糖も牛乳よりはたくさんあります。

早産の赤ちゃんを産んだママの母乳は早産の子にふさわしい成分です。
小さな赤ちゃんを産んだママの母乳は脂肪分が、
やや高めでしかもその脂肪を有効に使うように脂肪分解酵素も
一緒に入っています。
脳を育てるのにふさわしい材料と、ホルモンなどの物質も
母乳からは効率よく赤ちゃんに届けられます。

乳幼児の健康のために
ユニセフは「金のリボンの運動」
母乳は飲んだ総量に比例して赤ちゃんに利益を届けます_d0063558_18473275.jpg

で、6ヶ月まで母乳だけで、
可能であれば2歳以上までを母乳もあげながら育てることを
推奨しています。



そうはいっても、確かに母乳が、
溢れるほど出る人ばかりではないのも確かです。

母乳が出るような産後のシステム(BFH赤ちゃんに優しい病院)を
もった病院などでも1割くらいのお母様は、
ミルクを使った方が育児が、楽だったり安心だったりします。

また、赤ちゃんの性格によっては、
ちょっとずつ度々飲む事が幸せに感じられる子も少なくありません。

確かに、栄養が足りている事は大切なことです。
ほ乳瓶と違って、飲んでいる量が分かりにくい母乳をあげていると、
赤ちゃんが頑固に泣き続けるときなどは、
もしかしたら母乳が足りていないのに、
可哀想なことをしているのではないだろうか、と、
不安に思うのも無理はないことです。



なぜか、日本では、母乳が出ているかどうかを見極める情報
を知っている人がとても少ない残念な状況が続いています。

足りているかどうかの見分け方は以前のブログでも、書いていますが、
足りているかどうかの評価の仕方を
ママだけでなくてパパやお祖母ちゃんにも身につけてもらいたいと、
常々感じています。



で、本題。
足りていないと思われる母乳をあげることは
赤ちゃんにとって、無意味なことか?を考えてみます。

まずは、本当に足りていないかどうかの評価が大切です。
足りていないのに、何も補足しなければ赤ちゃんは、
栄養が足りなくて健康に障害を与えることになるでしょう。

最低体重から生後4ヶ月くらいまでは一日平均で20gは体重が増えていること。
体重計がない場合は一日に6回以上、しっかり排尿しているかどうかが
大切になります。
(20gでOKかと言うと赤ちゃんにも個人差もあって一概に言えません。
 全体の平均では1日30-35gくらいの体重増加があります。
 赤ちゃんがギリギリの体重増加で経過する時には、
 赤ちゃんのことと母乳のこととをよく知っている
 小児科医などと二人三脚での赤ちゃんのフォローも
 大切になります:括弧内H25/05/07追記)


それに満たないため、以前に、
母乳を搾って足すか、ミルクをお薬として使ってね、と、
補足の大切さを納得してもらうのに時間を必要としたママは、
何とかして母乳をあげたいと必死になるあまりに、
今足りているかどうかに、心が及んでいない人がいました。

ですが、このような方は意外と珍しくて、
多くのママと家族の方では母乳が出ているのにもかかわらず、
「足りていないような気がする」と不安になっている事が多いようです。

ママや家族が不安になるのは、
授乳回数が多い。よく泣く。ミルクを足したらがぶがぶ飲む。
保健師さんや小児科医で母乳で育つ子の経験が少ない人に叱られる。
おっぱいが張らない。この前まで、シャーッと出ていた射乳反射が
弱まったときなどでしょうか。


授乳回数は、母乳育ちの子では本当に巾があります。
一ヶ月検診では10ー12回位が多いですが6-7回の子も17-18回の子も。

三ヶ月くらいになると、
5-6回の子もいるし、まだまだ12回くらい飲む子もいます。

半年位して離乳食を食べ始めても10-12回の授乳が要る子も珍しくありません。

1歳過ぎると、お昼寝と寝るときだけと言う子が多いですが、
中には2歳くらいでも、不安になるとすぐにおっぱい!と、
一日、10回以上授乳が欠かせない子もいます。
(そのくせ、お祖母ちゃんちにお泊まりの時は全く不要だったり!)



時々、ポジショニングとラッチオンとが浅くて、
実際に、飲みにくいために度々授乳が必要なお母様がいるので、
LAYLAちゃんとおさらい/もしてみましょう。

ポジショニングとラッチオンとの工夫で、
授乳回数や授乳時間が楽になる事もしばしば見かけます。


授乳をしていても中耳炎や気管支炎になる子もいます。
それでも、母乳のおかげでそれだけの軽い症状で済んでいる可能性は
否定できないです。



母乳は、トータルで飲んだ量分の値打ちが、
赤ちゃんに届けられるものなのです。


また、よく泣く赤ちゃんも、泣いてしまう前に、
手を舐めていたらおっぱいをあげたり、
泣くときはそう〜っとそう〜っと抱きしめてあげたりして、
泣いてしまう前に授乳出来る工夫も効果があることが多いようです。





本当は、日本中、どこにいても、
「足りているかどうか?」を客観的に評価できる、
小児科の先生や保健師さんの、支援を受けられるのが理想です。

でも、小児科の先生が、母乳で育つ子をあまり見てきていないとか、
母乳の量を増やすことが出来ることを知らない保健師さんが
育児相談をしているとか、世の中が、まだまだ、
母乳育児の応援にふさわしい造りになっていない残念なことは
おいておいて、、、、。

必要量にせよ、支援する人が母乳に対する知識が少なくて
必要量以上にせよ、ミルクや搾った母乳を足すことは珍しくないですよね。

たとえ、ミルクを足したとしても、
母乳を飲んだ分の量分だけの値打ちは必ずあります\(^O^)/



不安な気持ちになりやすい子には、
抱きしめてもらえるのは心の栄養になります。

おっぱいを飲むのが難しいと、乳腺炎を繰り返すママには、
楽な授乳法の情報を届けたい物です。



もう一度繰り返します。

赤ちゃんにあげられたトータルの母乳の量だけの、
免疫の力、神経発達の応援、そして、赤ちゃんの安心な時間が
届いているのです。
完全母乳でないなら意味がない、というのはさすがに言い過ぎだと
だんだん分かってきました。



願わくば、すべての乳児と暮らす母親が、
赤ちゃんとの幸せなハネムーンの時代を、
気持ちよく過ごすことが出来ますように。








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about me:
香川県高松市の産科クリニックに勤務していますm(_ _)m
ハグブログに共感する思いでお産を見守る助産師さんとの出会いも
あったらステキだなあ、と思っております。

目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。
まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる
仲間を募集しています



一番上のブログの下↓についている宣伝は
エキサイトが勝手に選んでつけているものです。私の推薦ではありません。


Commented by 秋桜子 at 2011-07-01 16:16 x
はじめまして。
母乳育児で悩んだ時に、こちらのブログに出会いました。
たびたび読ませていただいていますが、今回初めてコメントします。

3月末に長女を出産し、生後1ヶ月頃から白斑からできました。
6月になってから白斑から出血したり、しこりができたりしたので、
助産師院へ乳房マッサージに行きました。
その際に「1週間で22.3gしか増えていない。おっぱいが足りていない」
と指摘され、両方の乳房から5分ずつ授乳するよう言われました。
それまでは1回の授乳で片方だけ吸わせることが多く、
飲み足りないようなら両方吸わせていました。
帰宅してから5分ずつ授乳にしたところ、ものすごく悲しそうな声で泣きました。
いつまでも涙を流して泣き、一向に飲もうとしませんでした。
そんな時にこちらのブログに出会い、目から鱗が落ちる思いでした。

(つづきます)
Commented by 秋桜子 at 2011-07-01 16:16 x
今では以前のように娘が満足するまで吸わせて、
足りないようなら両方吸わせるようにしています。
それでも娘の体重は1日35g増えていますので、
たまたま助産院で測った時は、タイミングが悪かったようです。

ラ・レーチェ・リーグの本も買って読み始めました。
助産師さんからは「白斑はそのうちかさぶたになって取れる」
と言われましたが、依然として白斑が治らないので、
こちらにも書かれているように授乳姿勢が適切でないのかと思います。
今更ながら、勉強し直しています。

職場復帰に際して、完全母乳を続けられるかどうか不安があります。
近々ラ・レーチェ・リーグの集いにも参加してみようと思います。

お忙しいと思いますが、これからもブログを楽しみにしています。
こちらのブログに励まされた一人としてコメントしました。
Commented by Dr-bewithyou at 2011-07-03 19:11
秋桜子さま>
コメントと、ブログご訪問と、ありがとうございます。

我が子をよく観察し、よくお勉強なさっているのに、
それを理解してくれるリアル世界の応援団が少ないことで、
随分と、気持ち的に大変な時もあったでしょうに、
復職後の母乳育児への意欲も持たれていて、頑張り屋さんですね。

ここに来たら、ふっと肩の力を抜ける、、、
そんなブログに育っていきたいとおもっております。

どうか、娘ちゃんと楽しい毎日を送ることが出来ますように^^
Commented by yumina at 2011-07-05 21:38 x
なんだか、今の私にぴったりの記事だったので嬉しくなりました(*^^*) 先生に取り上げてもらった三女ちゃんももうすぐ1歳。平日は出勤前と帰宅後、入浴後に就寝時の4回をまだまだやめれそうにもありません。その時がくるまでとのんびり構えてみます。ちなみに私の祖母も2歳までおっぱいあげてたみたいです。
Commented by Dr-bewithyou at 2011-07-06 08:08
yuminaさま>
保育園を利用しながらも、おっぱいライフが続けられていること、
かけがえのない体験をなさっているのですね。

お祖母さまの授乳の様子を聞くきっかけがあると、
また、背中を押される気持ちでしょうね。

授乳を続ける事は、ママと赤ちゃんとで相談して決めて良いこと。
楽しい時間を、そうやって重ねられますように。
Commented by saki at 2019-07-04 00:04 x
はじめまして。先生から一言勇気をいただけたらと思いこちらにコメントいたしました。
私の娘は現在1歳11ヶ月なのですが、未だに家にいれば暇になるとおっぱいで、夜も1時間おきに起きてパイパイ!です。ご飯の食べも良くない方です。
困り事を相談すれば、食べないのはおっぱいのせい、夜起きるのもおっぱいが癖になっているから、虫歯になりかけなのもおっぱいのせい、と言われてきました。先日も歯科衛生士の方にきつく言われてしまいました。
夜間断乳は2回チャレンジしたのですが、4日粘っても激しく泣き続けたり、日中のおっぱい執着が激しくなったりして諦めました。
先生のブログを読んだり、娘を見ていて「この子にはこの子のペースがあって、きっと今はおっぱいを必要としてるんだ」というのはすごく感じています。断乳しても食べない子・寝ない子はいること、授乳を続けるメリットは理解しているつもりです。
しかし旦那の実家でも友人宅でも所構わずおっぱいを執拗におねだりする娘に「まだそんなにあげてるの?」と言われることもしばしばで。
私だってここまであげたくてあげてるんじゃない!という思いと、娘が求めるならあげたいという思い、1時間おきの細切れ睡眠が1年半続いているつらさ、おっぱいで拘束される時間の長さのストレスなどがごちゃ混ぜになって、授乳の話題になるだけで気持ちがブルーになります。
(続きます)
Commented by saki at 2019-07-04 00:10 x
(続きです)
先程TwitterでDr.リノ先生というフォロワーの多い医師の方が「1歳すぎて頻回授乳、ご飯を食べないなら断乳」とツイートされていて頭に血が上ってしまいました。「母乳育児でマウントをとる人もいるけど…」と言ったことも書かれていましたが、私の体感としては母乳育児だからとマウントを取るような人はあまりおらず、逆に「まだあげてるの?」と言われ辛い思いをするママの方が多いのではないかと思っています。
ですが現状困り事だらけの私は「1歳すぎて頻回でも絶対続けるべきです!」と反論することはできませんでした。その医師の方のツイートをみて「そんなに大きいのにまだたくさんあげてる」と思う人がまた増えるのだと思うと辛く悲しい気持ちになりました。
書いていることが支離滅裂で申し訳ないです。私自身今後どうして行くのが正しいのか、何を優先させたらいいのか、頻回授乳をしていることは娘にとって本当に良いことなのか…何もわからなくなってしまいました。もしお時間がございましたらアドバイスを頂けると幸いです。
ラ・レーチェ・リーグにも相談メールをお送りし、会員の方に電話相談できますと紹介していただいたのですが…誰も私の苦しみを理解してはくれないだろうと思ってしまい、相談しないままになってしまいました。
by Dr-bewithyou | 2011-06-30 14:35 | 応援メッセージ:ママ達へ | Comments(7)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児支援(おっぱいライフ応援)をしている産婦人科医・IBCLC 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


by Dr-bewithyou
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