母乳代用品流通のWHO国際規準が中国で法制化の動き

【アジア発!Breaking News】「パッケージに赤ちゃんの写真禁止」。背景に“毒ミルク事件”か?
粉ミルクの宣伝を制限へ。(中国)(Techinsight Japan) - livedoor ニュース


ついに、中国でもWHOの国際規準の法制化が実現しそうだ、
と言うニュースです。

残念ながら日本では国際規準の批准はしていますが、
国内法制化はほとんどと言って良いほど実現していません。

中国の方が先に、赤ちゃんの健康のために、
国際規準の法制化に乗り出したようです。



毎度毎度書いていることで長くなりますが、、、、

WHOの国際規準つまり、
母乳代用品のマーケティングに関する国際基準とは
ミルクの非倫理的、非科学的な営業活動を制限して、
赤ちゃんが母乳を飲む権利を守りましょうという法律です。
それは赤ちゃんの健康の為に、
長く母乳をあげることを守るための法律なのです。
→NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会
「資料ダウンロード」のページの
母乳代用品のマーケティングに関する国際規準(邦訳全文)
(2011年5月29日掲載)の
http://www.jalc-net.jp/International_code.pdf
で、全文邦訳をダウンロードすることが出来るものです。


同じくJALCのサイトに要旨が書かれていますが、
「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準(WHO:1981)」の要旨

(1)消費者一般に対して、母乳代用品の宣伝・広告をしてはいけない。

(2)母親に試供品を渡してはいけない。

(3)保健施設や医療機関を通じて製品を売り込んではならない。これには
 人工乳の無料提供、もしくは低価格 の販売も含まれる。

(4)企業はセールス員を通じて母親に直接売り込んではならない。

(5)保健医療従事者に贈り物をしたり個人的に試供品を提供したりしては
 ならない。保健医療従事者は、母親 に決して製品を手渡してはならない。

(6)赤ちゃんの絵や写真を含めて、製品のラベル(表示)には人工栄養法を理
 想化するような言葉、あるいは絵 や写真を使用してはならない。

(7)保健医療従事者への情報は科学的で事実に基づくものであるべきである。

(8)人工栄養法に関する情報を提供するときには、必ず、母乳育児の利点を
 説明し、人工栄養法のマイナス 面、有害性を説明しなければならない。

(9)乳児用食品として不適切な製品、例えば加糖練乳を乳児用として販売促
 進してはならない。

(10)母乳代用品の製造業者や流通業者は、その国が「国際規準」の国内法制
 を整備していないとしても、 「国際規準」を遵守した行動を取るべきである。

 Allain A & Chetley A. Protecting Infant Health. 10th edition IBFAN/ICDC
 Penang Malaysia 2002. 母乳育児支援ネットワーク翻訳. 乳児の健康を守る
 ために WHO 「国際規準」実践ガイドブック 保健医療従事者のための「母乳
 代用品のマーケティングに関する国 際規準」入門. NPO法人日本ラクテーシ
 ョン・コンサルタント協会.2007
(2009.11 改定)



何度も、私はこのブログで書いていますが、
ミルクが悪いのではなくて、必要なときにお薬として
注意深く使うミルクが必要な赤ちゃんというのは
必ずいらっしゃいます。正しい使い方がされていない事が問題なのです。

色々な事情から重湯や砂糖水、コンデンスミルクをあげて
しのいでいた時代は、その結果、沢山の赤ちゃんが
健康に障害をうけていました。

でも、今は質のいいミルクが出来てきました。



なのに、何故、ミルクを売るのに法律の規制を要するのでしょう?

お薬を使うとき、例えば肺炎で抗生物質を使うときに、
アレルギーや肝障害などの副作用を頭の隅におかずに使う事は
普通ありません。薬には作用だけでなくて副作用もあるのは
表裏一体の関係だからです。

ミルクも薬と同じように、「副作用はあるけど、
最低限の量のミルクを、安全に作って(※)使いましょう」
と言うものであるはずなのです。。。本来は。


ところが、
ミルクの缶には、可愛い赤ちゃんの絵がイラストでついています。
お産で入院したらお土産としてミルクをいくらかもらい、
さらには「栄養士さん」と言うことになっている営業マンが、
お産後のママに、母乳が一番だけどミルクも大丈夫!、と、
営業活動を行うことも珍しくありません。

そうやって「ミルクはいいもの」というイメージに
とらわれている人は残念ながら医療スタッフにも少なくありません。

ミルクは絶対に安全!と思う人の多くは、
ミルク会社さんの、一缶でも多くミルクを売りたいという
マーケティングの犠牲者でもあります。


さらにアジアやアフリカの発展途上国には
安全にミルクを作りほ乳瓶を消毒する水がないこともあります。
ミルクの使い方を書いた紙があっても文盲(文字が読めない)の
女性も少なくなく、間違ったミルクの作り方をする事もあります。

そのような貧しい国にも、ミルクの営業マンは出向いて、
ミルクを販売しようとしていることが、
多くの乳幼児死亡の原因になっていることを知らない人も
まだまだ沢山いらっしゃいます。

母乳だけで育った子の方がミルクだけで育った子どもよりも
病気になりやすい状態は極端に大きな差があることも、
まだまだ知られてはいないのです。


健康の問題のみならず、
ミルクを消費する、という経済的な目で見ると
ミルク代の高さにはその営業活動のための費用が含まれている事に、
多くのお母様達は気づいていません。(※※)

高価なミルクほど、実は営業費がかかっている事が多いのです。
研究費や開発費は恐らくどのメーカーもそれほど大きな差は
ないのではないでしょうか。

そうやって過剰販売を行っているミルクを、医薬品のように、
きちんと取り扱っていきましょうという法律。

日本でも、是非、制定して欲しいと強く願っています。



、、、ただ国際規準の国内法制化を達成することで、
もし少子化の時代にミルクの開発費が出せないのであれば、
こういうところに国の予算を少しまわし、
そして、大きな医療費削減になる母乳育児支援のために、
ミルクの開発費よりはもう少し沢山の
国の予算をつけていただくことも必要なのではないかと思っています。




※粉ミルクを安全に作るためのWHO/FAOのガイドライン
 (厚労省の仮訳)
 →http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/dl/070604-1b.pdf
※※営業費の上乗せ、、、という記事の一つ
 →http://smilehug.exblog.jp/11864747/





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about me:
香川県高松市の産科クリニックに勤務していますm(_ _)m
ハグブログに共感する思いでお産を見守る助産師さんとの出会いも
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目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。
まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる
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元記事です
【アジア発!Breaking News】「パッケージに赤ちゃんの写真禁止」。背景に“毒ミルク事件”か?粉ミルクの宣伝を制限へ。(中国)

2011年11月11日11時30分

提供:Techinsight Japan


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コメント
中国衛生部はホームページ上で、母乳育児を推進するための「母乳代用品管理弁法」に対する意見募集を始めている。この法案が成立すれば、6ヶ月以下の乳児を対象とした粉ミルクや哺乳瓶などの母乳代用品の宣伝活動や販売促進活動が禁じられることになる。

「母乳代用品管理弁法」は1995年から実施されてきた法案だが、これまでの内容は商品の贈呈や値下げを禁止するにとどまっていた。今回の新案では、テレビや新聞、雑誌、インターネットなど、すべての媒体での宣伝活動を禁止するほか、パッケージに赤ちゃんの絵や写真を使うことや、“母乳に近い”などのキャッチコピーも禁じられている。これは母乳代用品の販売流通に関する国際基準(WHOコード)の内容を全面的に法制化したものと考えられる。

WHOコードとは、WHO(世界保健機関)とユニセフによって1981年に制定された国際基準であるが、日本ではほとんど法制化されていない。しかし近年は、母乳育児は経済的なだけでなく、母子の健康のためにも必要であるとして、日本でも推進活動が活発に行われている。こうした世界の流れに乗った形で、法案を新たにした中国だが、その背景には多くの乳幼児を苦しめたメラミン入り毒ミルクがあることは間違いないだろう。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)

Commented by しろたん at 2011-11-11 17:53 x
WHOの国際規準の話を持ち出すと、ミルクは悪いというイメージが植え付けられるからやめてほしい、人工乳だけで育てているお母さんのことも考えてほしいと勘違いされる方も多いんですよね。。本当の母乳育児支援者は人工乳が必要なお母さんたちも同じように援助しているんですが、世間はどうやらそうは思っていないようです。無料配布がたくさんされているということの意味をもっと多くの人が疑問に感じてほしいと思う今日このごろです。試供品を配っているということはその分だけ商品に値段が上乗せされているっていうのは人工乳に限らずどの商品にもいえることなんですけれどね。。
Commented by Dr-bewithyou at 2011-11-11 19:03
しろたんさま>
そういう形で、国際規準に反応する人もいらっしゃるのですね。

「ミルクは絶対にいい!」と信じている人が
母乳育児を勧める話に感情的に反応する時、は、
会話を続けるのが難しい事がありますよね。

それほどに強くミルクの良さを信じる人がいる事自体も、
今までのミルク会社さんの営業活動の
完璧さの結果だろう、と思う事も度々です。

どうやって生きてきたかと言う以上に、
どうやって「育ててきたか」ということも、
その人その人のアイデンティティにも関わることならば、
なおのこと、正しい情報や方法が大切なのでしょうね。

人工乳を選ぶ事情があって、よく検討して自信を持って選んだ人と、
母乳で育てたかったのに結果的に人工乳で育てた人とでも、
気持ちの差は大きいなら、なおのこと、最新の科学的な情報は
ないがしろに出来ないと私は思います。


by Dr-bewithyou | 2011-11-11 17:06 | 応援メッセージ:支援スタッフ | Comments(2)

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