赤ちゃんが生まれてから母乳で体重がふえるようになるまで

本日の母乳外来は、
母乳は出ているのに飲むのに苦労している母子たちでした。


一日に20回授乳して、体重が減っていたら、
どんなにおかあさんはがっかりすることでしょう。

また、痛い授乳を一生懸命に我慢してがんばっても、
一日20gの最低限の体重増加に追いつかないときもがっかりするし、
努力が実らなかったことに不満や不安を感じたりすることでしょう。
、、、そんなママたちでした。

(H27/7/9 追記:
 1日平均体重増加は、支援の環境の差もありますし、
 併走してくれる小児科医の理解や赤ちゃんの体格にもよりますので
 20g増えていたらOKという単純なものではないと考えられています)





確かに、、、、人間だって哺乳動物なのだから、
がんばっていたら出るようになる。。。。と、
待っていたらそのうちに飲めるようになる子もいるにはいます。

でも母乳育児をしたいあまりに、ミルクを避けすぎて、
赤ちゃんの健康に問題が出てしまっては、
なんのために母乳育児を目指したのだか
訳が分からなくなってしまいます。

特に、赤ちゃんの授乳のための姿勢、、、
ポジショニングとラッチオンなどを見守ってくれる
専門家が周りにいないときは、
無闇にがんばって、一か八かうまくいくのを待つよりは、
搾った母乳や、お薬としての最低限のミルクを足しながら、
赤ちゃんとママとの授乳のワザを向上させるのを待つ方が、
気持ちも切羽詰まってしまう
辛い思いに落ちることが減ることでしょう。



例えば、、、
入院中にほ乳瓶を覚えてしまって授乳の難しくなる子がいます。

また、おっぱいを飲むというワザを覚えるのに時間がかかる、
のんびり屋さんの子もいます。

水中生活から空気中の生活に環境が激変しびびっている
石橋を叩いて渡るタイプの慎重派の子には
抱っこや語りかけで、新しいことを覚える余裕を
作ってあげる必要があるかもしれません。

体もお口も小さくて、
乳首を深くくわえるのが至難の業のことがあります。

早産気味で寝てばかりの子もいます。

ママが焦ってしまってイライラしていると子どもも一緒に
イライラしてしまって、おっぱいをくわえるための
根気を出せなくなることだってあります。



WHOやユニセフが提案するように、適切な補完食を食べながら
(補完食の部分はH27/7/9 追記)
2年以上の授乳生活を続けていくならば、
生まれてすぐの一ヶ月に、母乳を搾る苦労や、
ミルクを作ったりミルクの安全性を確認したりする手間を
必要としても全体のおっぱいライフの中の5%の時間になります。

自分のおっぱいだけで子どもを育てられるのは、
子どもに大切な物を届ける嬉しくて、楽な方法です。
生後、すぐから母子同室できて
ポジショニングとラッチオンやタイミングについての、
そのカップルそのカップルに応じた一番、楽な方法を見つけるための
専門家の支援を受けられるならば9割のおかあさんが経験できる
育児方法です。


ただ、今まで勤務した産院は、BFH
(WHOが認定する、母乳育児を最低限のトラブルでスタートする
ためのシステムを持つ産院)から、母子別室の産院までありますが、
BFHでも統計をとっていくと全体の母子の5-10%は、
ミルクを必要としました。
体質とか、授乳の姿勢やタイミングなどに何かの癖や問題があって
作られたミルクが赤ちゃんの口に入っていないこともあります。



さらに残念なことに
今のように、母子別室が当たり前に行われている時代では、
2-5割のママの母乳が出始めるのがどうしても遅れがちです。


搾って母乳を出すと作られる母乳の量も増えてきます。
上手く飲めないわ、、、という子でも、
授乳を何度も根気よく経験をさせてあげれば、
毎回の授乳ごとにワザが身につきますし、
出る母乳はどんどん増えていきます。


そこを待つために、まだまだ、今の日本には、
足りないものが随分とたくさんありますよね。


何で育てるかよりも、
どの位、親子が理解し合って、
どの位、親子が笑顔でいられるかの方が、
大切でかけがえのない目標になるのではないでしょうか。

それになにより、母乳は赤ちゃんにあげられたトータルの量が
増えれば増えただけ、赤ちゃんの健康にいい影響を与えます。
1滴でも母乳をあげられたならば、「母乳育児」は
実現できているのです(*^o^*)

色々な事情で、赤ちゃんの体重に、
今はまだ結びついていなくても
赤ちゃんに母乳をあげようとしたこと自体は、
とても素晴らしい赤ちゃんへのプレゼントです。

どうか、胸を張ってください。




知識として知っておきたいこと
:混合栄養だと母乳を出し続けるのが難しい人が少なくありません。
どうすれば、母乳を出し続けられるかについて学んでおいたり、
相談出来る専門家を見つけておくことは
赤ちゃんに母乳をあげたいあなたの役にきっと立つことでしょう。


母乳は上げた量、上げた期間に比例して、
赤ちゃんの体を守ってくれますから、頑張りは、
必ず赤ちゃんに好ましい影響も届けているのです。



すべての親子が、
幸せなおっぱいライフを過ごしていけますように。





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about me:
香川県高松市の産科クリニックに勤務していますm(_ _)m
ハグブログに共感する思いでお産を見守る助産師さんとの出会いも
あったらステキだなあ、と思っております。

目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。
まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる
仲間を募集しています



一番上のブログの下↓についている宣伝は
エキサイトが勝手に選んでつけているものです。私の推薦ではありません。


Commented at 2012-01-27 13:40 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by かおり at 2012-01-30 12:07 x
やっと質問にこれました。
授乳は欲しがる時にあげるようにしてます。昼間は1~3時間前後、夜間は3~5時間前後になってきました。
頻繁なのは出なくても咥えさせれば少しはでるようで納得してくれるので気にしてないのですが、4時間を越えて授乳間隔があくのはいいのでしょうか?電話相談の助産師さんに聞いたら『起こしてまであげなくてもいいですよ、お母さんが痛くて眠れなかったらあげてもいいですし』というようなことを言われました。
私も眠たさに負けて寝られる程度の痛みなので寝てしばらく様子見してました。毎日ではなく週に1.2回程度なのですが、だんだん間隔が長くなってるように感じます。昨日は9時から授乳して一時間半後には寝て次におきたのが3時半ころ。それも大泣きではなく
指しゃぶりしている音に私が目覚めさすがに起こしました。
Commented by かおり at 2012-01-30 12:08 x
昼夜の生活リズムが出ると夜間の授乳回数は減るとは聞きますが
まだ2ヶ月にもなりかねている時期からありえるのでしょうか?
一ヶ月をすぎるころまでは夜中ぜんぜん寝てくれず朝方までおおなきしたりしていたのに1ヶ月を過ぎたころから急に変わり戸惑ってます。
夜中ラクできるのは嬉しいし大歓迎ですが、ちょっとラクしたために後で困ること(体重が増えてない、乳腺炎)になるなら今のうちに起こしてでも飲ませたいなーと思います。
ちなみに乳房の痛みは授乳から2時間すぎるころからちくちくとする程度です。3時間、4時間たっても張ってはいるもののいたくてたまらないというまではいきません。さすがに母乳バットには染み出てますが。
あと、母乳と湿しんって関係するのでしょうか?さほど偏った食事もしていないと思うのですが湿しんがひどくなっていきます。近々小児科を受診しようかと考えているのですが、今の栄養源は母乳のみなのでやっぱり私の食事を変えないと薬塗って表面上治療してもいっしょかなぁ…と思ったりしてます。

母乳外来を受診したほうがいいような内容でしたら伺います!!!
Commented by Dr-bewithyou at 2012-02-01 17:16
2012-01-27 13:40 鍵コメさま>
不安いっぱいの妊婦さんだったのに、今では、
赤ちゃんと二人で色々工夫して問題を乗り越えて
おっぱいライフを続けられる親子に育ってきたのは、
きっと嬉しい日々でしょうね^^

がんばった毎日は、親子で作った大切な物語の1ページで、
かけがえのないものを手に入れられたのですねヾ(*´∀`*)ノ
Commented by Dr-bewithyou at 2012-02-01 17:43
かおりさま>
赤ちゃんの健康と、自分の健康と、
どちらも守りながらおっぱいライフを続けるのに、
授乳の間隔と赤ちゃんの湿疹とについての対応法に
悩みが出てきたのですね。

よく色々と観察なさっていますね(^^)/

夜間授乳に関しましては、6時間以上開けない方が、
長いこと母乳が出るようです。
夜中に、おっぱいの痛みが強いときは乳腺炎も心配なので、
赤ちゃんを起こして飲ませて大丈夫です。
(ただし「ごめんなさいね」とお断りをしてからあげましょう)

それほど痛くもないけど、チクチクして目が覚めたときは、
http://smilehug.exblog.jp/11956904/
を参考に、乳首の手入れをしておいた方が良さそうです。

続く
Commented by Dr-bewithyou at 2012-02-01 17:44
かおりさま>
湿疹に関しては、母乳が顔に付着して湿疹になる子もいるので、
まずは授乳する度に水かぬるま湯で濡らしたガーゼで
顔をやさしく拭いてあげてみてください。それで治らなくて、
痒そうならば、小児科で診てもらって大丈夫です。

そのような悩みで、
母乳外来を利用する方もいらっしゃいますよ^^
毎週水曜日の午前中です。前の日までにお電話で予約をお願いします。
乳腺炎などで発熱がある時は救急疾患ですから、
その都度お電話で相談ください。
Commented by かおり at 2012-02-15 11:58 x
コメントありがとうございます。参考にさせていただきます。
夜間の授乳はアラーム設定したりして6時間以上開かないように
心がけます。ただここ数日何度かそれすら気づかない時があり、目が覚めると大変なこと(胸の張りや、染み出ている)になっていました。そのせいなのか、数日前からの風邪のせいなのか、昨日から左の乳房が今までのチクチクとは違う痛みと小さなしこりができてます。過去ログみながら対処してみて、だめなようなら母乳外来受診するようにします。

湿疹は腫れがひどくなったため小児科で診てもらうことにしました。処方されたワセリンだけではあまり改善しなかったため、ロコイドを配合することになり昨日から塗ってます。一番弱いとはいえステロイドが入っているだけに数時間後には赤みがひいていきました。産院で乳首の傷に処方されたものと一緒なのであまり心配はしてませんが、薬がなくても大丈夫なようになりたいです。
by Dr-bewithyou | 2012-01-25 22:04 | 応援メッセージ:ママ達へ | Comments(7)

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