青森県立中央病院新生児科部長 網塚貴介先生の東奥日報の
連載の最終回の記事です。
富山県での県を上げての,親子の支援についても触れています。
抜粋です↓
母乳の特集の初回に「母乳がなかなか出ない母親もいるのに追い詰めることになりはしないのか?」という言葉に隠された母乳育児支援のタブー視こそが、母乳育児がうまくいかずに傷つくお母さんを増やしていると述べました。一見思いやりがありそうな言葉の陰に隠れて何もしないことこそが、悲劇がなくならない元凶なのではないかとさえ思います。
「最大の悲劇は悪人の暴力ではなく、善意の人の沈黙と無関心である」
マーティン・ルーサーキング牧師によるこの言葉がふと頭をよぎります。母乳育児の問題に限らず、「善意の人の沈黙と無関心こそが悲劇を生み出している」という現実が、この連載で紹介している赤ちゃんを巡る環境には数えきれないほど存在します。
母乳の出ない母親を追い詰める。と、よく言われます。
そこには私の話術や聴く力の拙さもあると思います。
一方で母乳のことを話題にしただけでも
誰かを追い詰めるとか、可哀想だと言われるのは、、、
母乳のもつ免疫の力や、赤ちゃん成長に役立つ話をしたとき。
ミルクを販売する業者の販売方法に苦言を呈したとき。
幸せそうな親子の話をしたとき。。。。などでしょうか。
母乳のことを話題にするだけでも白眼視されることもあります。
私達は仕事で関わるわけですから賛成も反対も
貴重な情報を頂いたのだと思うことができます。
ところが一人一人のお母さんにしてみたら
母乳をあげたいと思ったために冷たい視線にさらされる
ことも珍しくないことは、残念すぎる出来事ではないでしょうか。
楽しく生活していても「母乳だと大変でしょう?」と
あまり親しくない人に決めつけるように言われることだって
有るのです。授乳しただけで行儀が悪いと
言われるような事も最近は増えてきました。
赤ちゃんを育てる人を見たら、
教え諭すか、不幸で可哀想な人であることを伝えるのが、
親切なことだと思っている人が沢山いるのかもしれません。
それは関心があっての語りかけというより実際には、
目の前にいる親子に対する無関心から生まれる事だとしたら
残念なことです。
何で育てていても赤ちゃんとの生活は、
お母さんの時間と手間とを沢山かけざるを得ません。
網塚先生が考察されていることも参考にしながら、
赤ちゃんのいる生活から少しでも負担を減らして,
自信を持って過ごせる支援をこれからも目指していきたいと思います。
写真はオリーブ公園
←バナーを作って貰いました(*^o^*)
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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務 (外来のみ、H27年5月より)
四国でIBCLCに認定されるための継続教育単位の出る学習会の第1回目は宇多津で無事に終了しました。
興味のある方で参加出来なかった皆さまのために、2回目も設定できるよう準備していきたいと思います。