映画 この世界の片隅に を観てきました

ネタバレかもしれません。



この映画のことをご存じでしょうか。
私が夕凪の街 桜の国 ↓

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

こうの 史代/双葉社


と言う漫画に偶然出会ったのが昨年の夏でした。広島(またはヒロシマ)、原爆、記憶という私が目を留めずにいられないキーワードで出会いました。

それと前後して「クラウドファンディング」という手法でお金を集めて映画を作成しようという動きをしていることを知ったのがこの「この世界の片隅で」という世界でした。

そして、ようやく先週末に封切られた映画に会いに行ってきました。原爆ドームとなった産業奨励館の美しい姿の持つ怖さも映画でもやはり感じましたが、すずさんに、周作さんに、径子さんに、りんさんに会いに行ってきたという表現が一番ふさわしいと思う映画でした。もしかしたら感想はその言葉だけで十分なのかもしれません。



。。。ですが、書きたいので書かせていただきます。これから見に行く人には、全くもって不要な感想であります(^◇^;)から、するーしましょう。

夜と霧のフランクルだったか、七つの習慣のコビーだったか、「実現された時間は消えることはない」と言った方がいます。「この世界の片隅に」は失うものを描くと同時に、実現された時間の積み重ねも描かれていたのではないでしょうか。映画は特に「音」「音楽」という手段も使うことで、読み尽くしたとも言える漫画を新しいものとして、私の目の前に連れてきました。

見終わった私の感想は上の「逢ってきた」というものと、そして「時間は過ぎ去るのだから大切に使わないといけない」というものと、クラウドファンディングに乗り遅れた身として出資し損なっている思いがずっと心の中にありましたので、「お金は大切に使わないといけない」と言うものでもありました。







画面には原作を知っているとすぐに失うと知っているものが次々と出て来ます。そうやってすずさんは沢山のものを失ったのに、休山(やすみやま)や江田島、倉橋島の稜線の形は変わりません。両城(りょうじょう)や三津田の方の歩くと坂ばかりで階段ばかりだけど、見た目はなだらかに見える町の傾斜も変わりません。二河川(にこうがわ)や堺川(さかいがわ)が流れる場所も変わりません。更に、製鉄所の勢いがなかった時代なので夜空の色は違いますが、北斗七星の見える角度も変わりません。
眼鏡橋から海上自衛隊の集会所の景色はビックリするほど私の子ども時代と変わっていなくて、思わず画面の中で、すずさんと私も一緒に歩いていました。(Googleマップがトンチンカンで、造船所のドックに「二河川」と名前がついてるのは見て見ぬ振りをしておきます)

晴美さんが船を観たいと言って、すずさんを引っ張っていったあの長い塀は私の子ども時代にもまだありました。その下にある造船所はそれこそ「機密」だったので覗いてはいけない場所なのだけど、長の木から見下ろしていたならばきっと塀の向こうが海だと気付いていたことでしょう。練兵場と言われていた広場の形は独特のPの形をしていましたから。
盆灯篭が全部、新仏さんのだったことや(染料がなくて白いものしかなかったと思いたい)、投光器の光や、爆撃の音の無情さにもヒリヒリとしました。

「だれかの夢はだれかの悪夢である」と原作の中に書かれていることばを二次元+音で組み立てたこの映画は、生きること、人と出会うこと、幸せとはどんなものなのか、不幸はそこがどん詰まりなのではないのだということをを見え隠れさせていたと思います。


呉の町を知らない人には、「懐かしい」と立ち止まることがないために、より伝えたいことがクリアに見えるのではないだろうか、と少し思ったことを付け加えておきます。人が人らしく生きることはどういうことなのかを、ともに考えてくれる大切な映画がこうして生まれたことに感謝いたします。


どの人もがそれぞれの一度限りの人生を生きることの大切さを胸に抱えて生きる世の中ならば、他の人の人生を踏みにじってはいけないことを理解する人が作る世の中になるという思いを心に温めていく力をくれる映画が生まれたことは、本当に素晴らしい事だと思います。
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鳥居さんは、平安神宮のものです。





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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務 (外来のみ、H27年5月より)
      母乳外来しています。

2015年、四国でIBCLCに認定されるための継続教育単位の出る学習会の第1回目は宇多津で無事に終了しました。
興味のある方で参加出来なかった皆さまのために、2回目も設定できるよう準備していきたいと思います。


by Dr-bewithyou | 2016-11-14 22:49 | 残したいもの | Comments(0)

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