マッサージをせずに産婦人科医師が乳腺炎診察をするとき

この記事はお母さんたちよりも、
支援する助産師さんなどスタッフ向けです。
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先日のIBCLC(国際認定ラクテ-ション・コンサルタント)の
お勉強会の「乳腺炎」のセッションで、
乳腺炎の診察で私はルーチンにはマッサージは
行ってないです。とお話ししたところ、
助産師さん達から質問がありました。

「マッサージをしないで、しこりはどうするのですか?」
「ママのおっぱいを赤ちゃんが飲めないときは
 どうするのですか?」

実は私は「マッサージなしですか?」と尋ねられるまで、
あまり疑問に思っていませんでした。

なぜなら適切な抱き方、タイミング、赤ちゃんのくわえ方を
見つけることが出来たらその時点で、
かかってすぐの乳腺炎ならばしこりも消失するからです。


↓抱き方の姿勢の観察ポイント・工夫ポイント。
おっぱいマッサージを手技的には私は学んでいないので
外来の時にはおこなっていません。

その代わりに、赤ちゃんの授乳の仕方を
評価するときに、赤ちゃんが口を離すまで
飲み取ってもらっています。

マッサージの出来る助産師さんだと
おっぱいから、乳汁(母乳)を外に出すのを
助産師さんが行っているということに
私は気付いていませんでした。

私は赤ちゃんが飲んでくれるのを待って、
どの位、痛みやしこりが残っているのかを
観察して診察終了にしています。

授乳姿勢の観察は
以下の書籍にある観察用紙を利用します。

UNICEF/WHO赤ちゃんとお母さんにやさしい母乳育児支援

医学書院


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しこりとお熱だけでなくて
赤ちゃんがくわえられないほどカチカチの時は
痛み止めを処方して乳首の周りを
圧迫して柔らかくする方法をお知らせします。
↓の記事参照。

搾ってもティッシュペーパー1枚程度までね、
とお伝えします。
そうやって赤ちゃんの口で乳輪を
くわえる余裕をつくるのです。

このようにカチカチになっているときには、
いわゆるマッサージとして、
やさしく痛くないように、専門家がお手伝いして、
少しだけ排乳を手伝うと
楽になるのは早いかもしれません。

マッサージをせずに、病院の外来で
赤ちゃんとお母さんとに
しこりを小さくして貰いますとささやかですが、
親子に成功した体験を届ける事が出来るようです。

その経験から、自宅に帰ってからも
より自信をもって度々授乳出来る人もいるようだと
感じながら私は母乳外来で診療をしています。




記事や写真・イラストの無断転載はお断りします
医療的な事を扱うため個々の症例の質問への回答は
責任を持てないため、基本的に行っておりません。

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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務
      (産婦人科医・外来のみ、H27年5月より)
      母乳外来も予約制で行っています。

次の四国での母乳育児支援学習会はH30年の夏以降に行えるよう準備をする予定です。
twitterでも当ブログの以前の記事にどのようなものがあるか、ご案内しています。





by Dr-bewithyou | 2018-04-11 20:23 | 応援メッセージ:支援スタッフ | Comments(0)

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