薬の説明書のうち授乳婦に対する注意事項が来年から変更されていく予定です

医薬品の添付文書についての産経新聞の
授乳婦に対する注意事項の設定に当たっては、成分が母乳に移行することだけでなく、薬理作用などから推察される授乳中の赤ちゃんへの影響や臨床使用経験などを考慮し、必要な事項を記載するよう求めている。実施は平成31年4月から。すでに承認されている薬は36年3月末までに改訂する。
という記事です。

(More以降にコピペ)


今朝の研修医向けのカンファレンスは私が担当でした。
テーマは自由です。私が選んだのは
「母乳とくすり」です。

30分で母乳とミルクの違い、母乳の作られ方、
薬が母乳に入る仕組み、どのように判断するか、
何で調べるか?を駆け足で講義しました。
皆さん、朝から熱心に聞いてくださいました。


授乳を止めてミルクにしても
ミルクも良くなってきているから大丈夫!と
無条件に感じる方も多いのですが、
ミルクに代えることで病気同様または、
病気以上に苦労することもあることも
お伝えしました。


急に母乳をミルクに代えたときに
何が起きるかというと以下のようになります。
スライドを一枚持ってきます。↓

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母乳は止めたり始めたりを水道の蛇口のように
簡単に扱える訳ではないので、
止めるならば以下のことも同時に伝える必要があります。

どのように痛みの対策をして、
乳腺炎と今の病気の見分け方を伝え、
母乳を搾って減らさないようにして
赤ちゃんになんとかミルクを飲んでもらって
再開したときに赤ちゃんが哺乳瓶に慣れて
母乳を飲まないようにならないように、
カップ授乳や、哺乳瓶を使った後の授乳方法を説明し、
赤ちゃんを感染から守るための最善を尽くすということを
伝える必要があると言うことなのです。

病気でつらい上に、
こんなに細かい事に気をつけて
ミルクを飲ませるのは相当の苦労だと、
母乳育児支援をしている人間は、
その対応に四苦八苦してきたために
身にしみて感じているのです。

授乳だけして、母が安心して、
病気から回復できるように安静にできるほうが、
おそらくはよほど楽なのではないでしょうか。


今は、薬の添付文書では7割の薬は、
授乳を止めることと記されています。

薬が母乳の中に出ることもあります。
ただ赤ちゃん用の
ドライシロップ製剤がある薬では、
赤ちゃんは薬そのものを
飲むわけなので、その時に
赤ちゃんが飲むよりよほど少ない量が
赤ちゃんの口に入るにもかかわらず、
授乳を中止すること、
と書かれていたりすることもあるのです。


もちろん抗がん剤など一部の薬は
母乳を止める方を母親が選ぶことは
あることでしょう。

そういう時に、どのように断乳していくか、
私達IBCLCが行う母乳外来では、
その対応についてのご相談にのる準備も
できています。


母親が健康をくずしたときに、
折角使える薬があれば、
その薬の恩恵を授乳中の人も
得られるようにしていけば結果的に、
赤ちゃんのけんこうを守る事にも
繋がっていくのです。


ちなみにハーブも妊娠中・授乳中に
気をつけた方が良いものもあります。
薬とちがって説明書きがないので、
気をつけて使う必要があります。

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当ブログではタグの「薬」のところに
様々な授乳中の薬に関する
情報も書きためてあります。
ご利用下さい。




記事や写真・イラストの無断転載はお断りします
医療的な事を扱うため個々の症例の質問への回答は
責任を持てないため、基本的に行っておりません。

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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務
      (産婦人科医・外来のみ、H27年5月より)
      母乳外来も予約制で行っています。

次の四国での母乳育児支援学習会はH30年の夏以降に行えるよう準備をする予定です。
twitterでも当ブログの以前の記事にどのようなものがあるか、ご案内しています。








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授乳中の薬、大丈夫? 母乳のメリット考慮し科学的に影響評価

授乳中に安全に使用できると思われる薬授乳中に安全に使用できると思われる薬

 授乳中に病気になり、薬を飲んでも大丈夫なのか心配する人は多い。母乳の代替として人工ミルクもあり、「服薬するなら授乳をやめる」という選択もある。ただ、母乳育児は大きなメリットがあることから、不必要に授乳を中断することがないよう、授乳中の服薬による赤ちゃんへの影響について科学的な評価が行われている。(平沢裕子)

 ◆添付文書で禁止7割

 母乳は人工ミルクに比べ、栄養面や経済面などでの多くのメリットや、乳児の感染症予防効果などがあることが分かっており、厚生労働省も母乳育児を支援している。

 ただ、授乳中の母親に薬を飲む必要が出たとき、日本では簡単に母乳をやめてしまう傾向がある。日本産婦人科医会の松岡幸一郎理事は「母乳を通して薬が赤ちゃんに影響を与えることを心配してか、なるべく薬を使いたくないと思う母親は多い。また、治療にあたる医師や薬剤師で対応が異なることがあり、母親が混乱する一因となっている」と指摘する。

 医療従事者間で服薬と授乳への判断が異なる一因として挙げられるのが、医薬品の添付文書の記載だ。添付文書では、妊産婦の場合と同様、授乳中の女性の服用に慎重な記載が多い。大分県の小児科医や産婦人科医、薬剤師らが平成21年に結成した「『母乳と薬剤』研究会」が調べたところ、約700の医薬品中、7割に「授乳中止」と記載されていた。

 ◆不使用でデメリットも

 抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」もその一つ。タミフルを製造輸入販売する中外製薬広報IR部は「母親が飲んだタミフルは母乳中に移行することが分かっており、この母乳を飲んだ乳児の詳細なデータがない。授乳中にタミフルを飲んでも大丈夫といえる明確な根拠がない以上、授乳時の服用は避けてほしい」と説明する。


 タミフルに限らず、動物での実験などで成分が母乳に移行するとのデータがある場合、添付文書で「授乳中止」や「授乳を避けさせること」としているものは多い。ただ、母乳中に移行する薬の量は非常に少ないことが知られ、中には添付文書に授乳中止とあっても、授乳を続けても問題ない薬もある。松岡理事は「お母さんが薬を使わないことで起こるデメリットもある。薬を飲んでお母さんの体調を安定させることが、実は赤ちゃんの健康にも役立つことが多い」。

 ◆医師と相談し判断を

 国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」は、授乳中の薬の使用に関して国内外の最新の医学的研究報告に基づいて評価し、「授乳中に安全に使用できると思われる薬」としてウェブサイトで紹介している。同センターの肥沼幸医師は「薬の治療が必要な場合に授乳をどうするかは、医師と母親が十分に相談して決めていくことが大切。サイトの情報は、母親が母乳を継続するかどうか判断する材料の一つにしてもらえれば」と話す。

 大分県の研究会も、同センターや米国小児科学会の評価などをもとに独自に評価した内容を医療従者向けのハンドブックにまとめている。東京や大阪など全国の医療機関から注文が寄せられるなど好評という。



 ■使用経験など考慮し記載を 厚労省が新たな「要領」

 厚生労働省は昨年6月、医薬品の添付文書について、より理解しやすく活用しやすい内容とするために新たな「記載要領」を定め、都道府県に通知。授乳婦に対する注意事項の設定に当たっては、成分が母乳に移行することだけでなく、薬理作用などから推察される授乳中の赤ちゃんへの影響や臨床使用経験などを考慮し、必要な事項を記載するよう求めている。実施は平成31年4月から。すでに承認されている薬は36年3月末までに改訂する。




by Dr-bewithyou | 2018-05-08 21:35 | 問題発生 | Comments(0)

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