いのちの重み
2006年 04月 08日
よしもとばなな「イルカ」を読みました。この本は、表紙からしてほんわかとした妊婦さんのイラストだったりするのだけど、とつきとおかの旅と言っても良さそうな時間を描いています。で、まだ出たばかりなのでこれから楽しみに読もうという人も多いかと思うので内容には触れないようにちょっと思ったことを書いてみます。
私はいつも赤ちゃんを「ひとりの人間」として心がけながらたくさんのママ達の笑顔や泣き顔に接してきているつもりでいました。それでもまだ気付いていないことがあったようです。それが、タイトルにも書いた「いのちの重み」。
子供でも今の時代なら「いのちは地球より重い」と当たり前のように口にすることでしょう。そこまで浸透している知識としてのいのちの大切さ、と、関わっていくいのちとしての愛しさが、残念ながら上手くバランスをとれずにちぐはぐなのが今の時代なのかもしれないと、ふと思う本でした。上手くバランスをとれないバランスの悪さを見て見ぬふりをするために、いのちの神秘への無関心になる事が当たり前に起きているんだろうなと。そして、世の中がいのちに無関心になって来ている中で、「おや」になる人ばかりにいのちの大切さを強調していくことは、どこかにひずみが生まれても仕方がないのかなあ、と、少し怖くなったりもしました。
幸いにも、私は多くの生まれ出てくるいのちの神秘にすんなりと馴染んだしなやかなママ達にたくさん出会ってきました。そう、「無関心でいられない人達」ともいえるでしょうか。今までいなかったいのちが生まれることを、ただ面倒が増えて時間が制約されるだけだと思わずに、しあわせのきっかけと思えるような生まれつきの性格を持った人達もいるし、赤ちゃんの何かの行動でスイッチが入った人達もいるし。
いずれにしてもそう言う人達に出逢えているんだなあ、すごいなあ。と思ったんです。
そんな、当たり前に見えることが『実はスゴイこと』なんだ、と。
・・・上手く、文章に出来ないのだけど、、、やっぱり、おやこのいる光景は良いなあと思った一冊でした。