抱っこで伝えられること
2005年 06月 03日
絵本です。Loving HUG
(橋本武夫,梅田馨,柚木貴晴 共著 柳瀬ワイチ 2004年 定価1,260円 )
このブログのURLに「HUG」(=抱っこ)と言う言葉をお借りしました本です。
小児科の橋本先生。産婦人科の梅田先生。そして病院秘書の柚木氏が赤ちゃんとはこんなふうに付き合えると楽しいよ、と言うことをかわいいカンガルーの家族のイラストに託して力を合わせて制作された絵本。
動物の赤ちゃんは産まれたらすぐに歩いて、自分の行きたいところにいける。でも、人間の赤ちゃんは歩けるようになるまでの時間が長い。・・・それを「脳みそが大きくなってそれ以上大きくなったら難産になるから」と言わずに、
「その期間は、人の優しさ、暖かさを教わるためにあるんだよ」と、
「赤ちゃんという人」の欲しいものを、カンガルーの家族が教えてくれる絵本。
人間の手の形って、赤ちゃんを抱っこするのに丁度いい格好でしょ?と。
育児とは「赤ちゃんを育ててあげる」という面があるばかりでなく、「赤ちゃんという人」がいることでお父さんやお母さんがふと和める空気の心地よさを経験するチャンスだと。そして、その心地よさのために本能の力でどこまでが出来てどこからがそれぞれのおやこの腕の見せ所なのか。赤ちゃんがいることで生まれるしあわせの形を、どのように育てていくのかのひとつの小さな道しるべのような本だと思います。
いつもそばで見ていて思うんですが、母達は時に涙にくれることがあっても意外なほどに逞しくしなやかに我が子に育てられ、赤ちゃん達は意外と教えなくても色んなことが出来る。その「育てる」能力と「育つ」力の素晴らしさに触れる機会に感謝します。