適切な体重で妊娠・出産すること
2009年 04月 14日
ただ、最近の様々な研究が伝えるところによると、
小さな赤ちゃんは将来に肥満やメタボリックシンドロームの発症が、
標準体形で生まれた赤ちゃんより高いと言うことが分かってきました。
また、私が勤務先でとったデータでは、
2500g−2800gの赤ちゃんを産んだお母様達では、
母乳育児率が低くなっていました。
(2500g無い時には、お母様が
何とかして小さい赤ちゃんを大きく育てたいと、
母乳を出すためにかなり真剣に気をつけることも影響するのか、
最初にミルクを足しても、母乳だけになる人が多かったです)
赤ちゃんを健康的に育てるために、ちょっとぷっくりしたくらいの
せめて2800gはこえる体重で生んであげることは、
赤ちゃんの将来にまで影響します。
↓のエキサイトニュースから抜粋しますと、
実際、「低出生体重児」は増加傾向にある。厚生労働省発表の人口動態統計によると、1990年の全出生数に対する低出生体重児は6.3%だったが、2004年には9.4%に上昇しているのだ。
という数字が出てきています。
なお、ここで言う低出生体重児とは生まれた時の体重が2500g未満の
赤ちゃんのことです。
10年くらい前までは、妊娠前の女性たちは、
もっとぽっちゃりしていました。
そこには私達、産科医にも責任の一端があるのでしょうけど、
以前は妊娠中の体重コントロールにとても神経質になっていました。
それは太り過ぎて産道が狭いために起こる難産や
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)などの合併症で
妊娠中の緊急事態を避けたいと言う思いからでもありましたが、
ふと気付くと、最近は
妊娠する女性たちが随分とスリムになってきています。
妊娠する前に、自分の体重がBMI=18.5未満の方では、
妊娠したからと言って急に体重や食欲が増えるわけではないので、
そのあたりも気にかけて妊娠の準備のひとつとしましょう。
ひもじい思いは辛いのだということを知っていればこそ、
赤ちゃんが空腹で辛い思いをしていれば、何とかしてあげたいと、
より感じることが出来る部分もあるようです。
妊娠前と妊娠中の
無理なダイエットが当たり前になってしまって、
赤ちゃんの空腹感を理解出来ないなんてことは
さすがにないことを祈っております。
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未熟児の出産率上昇 女性の「痩せ願望」が原因 | エキサイトニュース
元記事
( 2009年4月12日 15時54分更新 )
未熟児の出産率上昇 女性の「痩せ願望」が原因
世界的に見ても日本の若い女性は「痩せすぎ」――こんな研究結果が出された。「痩せ願望」があまりに強い結果らしいが、ことはそれだけでは収まらない。最近では痩せた妊婦が増え、そのせいで未熟児の出産率が高まっている。日本の未来を左右する大問題になりかねないのだ。
太っていない標準体型の女性がダイエット
日本人女性の痩せすぎについて調査したのは、筑波大学大学院の曽根博仁教授が担当する研究チーム。BMI(ボディマス指数)と呼ばれる、世界共通の「肥満度」を示す指数に着目した。BMIは体重を身長(メートル)の2乗で割った数で、日本肥満学会は標準値を22としている。調査では、アメリカ、韓国の数値と比較した。
それによると、アメリカの男女性、日本男性、韓国男性は、10歳以降は成長と共にBMIも増えた。BMIの数値は6歳以降、年齢とともに増加するのが一般的だ。しかし、韓国女性は、18歳頃にBMIの増加が止まり、20代は横ばいだった。そんな中、日本女に限っては15歳ごろにBMIの増加が止まり、20代は年齢とともに減少に転じたという。つまり、日本の若い女性は世界的に見ても「痩せすぎ」ということだ。
痩せている方がよいという意識から、医学的に見て全然太っていない標準体型の女性がダイエットしてしまう……こうした女性が少なくないのでは、と見る曽根教授は「この結果は心配だ」と話す。
曽根教授によると、若い日本女性が「痩せすぎ」は以前から指摘されていた。しかし、世界的な傾向なのか、時代的な傾向なのか、詳細なデータはこれまでなかった。なお、この研究結果はアメリカの疫学誌「エピデミオロジー」の5月号に掲載予定だ。
2500グラム未満の「未熟児」出産率が9.4%に上昇
しかも、こうした「痩せ願望」の影響が、若い妊婦にも及んでいるという。日本助産師会の市川香織さんは、「たしかにここ数年、痩せた妊婦さんは増えており、問題となっています」と明かす。妊婦が痩せている場合、2500グラム未満の「低出生体重児」を出産するリスクが高くなるからだ。
実際、「低出生体重児」は増加傾向にある。厚生労働省発表の人口動態統計によると、1990年の全出生数に対する低出生体重児は6.3%だったが、2004年には9.4%に上昇しているのだ。
市川さんによると、もともとBMIが低い女性が多いからだという。そのため、妊婦となった後も体重が思うように増えず、早産して低体重の新生児を出産する可能性が高くなる。低体重の新生児は将来太りやすく、生活習慣病にもかかりやすいとも指摘されている。もはや、母親だけでなく次世代的な問題となっている。
BMIが低い「痩せ型」の女性が多いことについて、市川さんはこう話す。
「原因はメディアが発するイメージが大いに関係しているでしょう。痩せたモデルさん、女優さんが賞賛されていますし、ファッションにしても細身がかっこいい――そんな風潮に、思春期の女の子たちはずっと晒されています」
さらに、食生活や生活習慣がよくないことも問題だ、と指摘、生活習慣の改善を強く訴えている。
「食事を3食きちんととること、早寝早起きを心がけることが大事でしょう。朝食の欠食はいけません。妊婦になったからといって、急に変えられるものではありません。小さい頃からの習慣はそれほど大事です」
なお、こうした妊婦の「痩せ問題」に対して、厚生労働省では2006年2月1日、「妊産婦のための食生活指針」を発表。母子の健康を確保するための、正しい食習慣を確立するよう呼びかけている。